6月のハワイへの訪問者数と訪問者支出は、昨年11月以来初めて、共に増加した。これまでのところ訪問者数は2017年2月以来増加しているが、訪問者支出は7カ月間減少していた。
ハワイ州観光局(HTA)が7月30日発表した訪問者統計によると、6月の州全体の訪問者支出は前年同月比で3%近く増加し16億ドルとなった。これは、中核市場の米国西部と米国東部からの訪問者支出が増加していることによるものである。
しかし、最大の海外市場である日本、成熟市場であるカナダ、日本及びカナダ以外の海外市場からの訪問者の支出は減少した。 6月の訪問者数は6%以上増加し95万1628人となった。北米からの訪問者数は増加したが、海外市場からの数は減少した。
一日当たりの平均訪問者数は27万9087人で、昨年同月比3%近く上昇した。 6月の結果が昨年同月比良いのは、昨年6月が洪水とキラウエア火山噴火で業績が軟化し始めた月であるからである。
この洪水と噴火の影響は2019年まで持ち越されている。 今年の1〜6月の数字を昨年同期比で見ると、訪問者支出は2%減の89億ドル弱、訪問者数は4%以上増加して520万人弱となった。全ての主要市場からの訪問者数は増加した。
米国西部は、1〜6月で訪問者支出が増加した唯一の主要市場であった。 1日1人あたりの支出額は3%以上減少し196ドルとなった。これは、宿泊費と交通費の減少が主因であるという。
ホスピタリティー・アドバイサーズ社のジョセフ・トイ社長は、「交通費の減少は、石油価格の低さと航空機座席数の増大によるものである。また、宿泊費の減少は、何年にもわたる滞在費の上昇に消費者が耐えられなくなってきていること、リオープンしたホテルの数が増えたこと、バケーション・レンタルが増えたことが主因だ」と述べた。
プレズント・ホリデイズ社のジャック・リチャーズ社長は、「2020年の予約は、すでに2桁の成長を見せており、来年のハワイの観光業は、需要低迷の時期から脱出することになりそうだ」と明るい期待を述べた。
(日刊サン 2019.08.10)