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HECOの近代化計画承認 電気料金も値上がり

Bynikkansan

2月 22, 2018

州最大の公共事業者が提案したオアフ、マウイ、モロカイ、ラナイ、ハワイ島の電力の、高度な近代化を図る計画が7日、公共事業委員会(PUC)から承認された。ハワイアン・エレクトリック社(HECO)と系列会社は今後6年間で2億500万ドルをかけて、ワイヤレス・スマート・メーターや電力品質検知センサー、屋上太陽光システム制御装置の設置、電力停止管理や通知技術の開発を進める。この計画の視野にあるのは再生エネルギー時代への拡充であり、屋上太陽光発電の設置数の増加とサービスの信用性の改善、未来の革新的技術を採用する柔軟性を目的としている。

 

再生エネルギー化には 2億500万ドルが必要

2億500万ドルの予算を捻出するため、6年間はオアフ島の消費者は月の電気代が平均94セント、マウイ郡は1ドル93セント、ハワイ島は2ドル7セント増加すると予想されている。カウアイ島は別の事業者が供給しているため電気代に影響は受けない。

HECOは州議会から電力網近代化計画の承認を受けるまで2年を要している。同社は2016年に『スマート・グリッド・ファウンデーション』と名付けられた3億4000万ドルの計画を提出したが、PUCはコストパフォーマンスや技術進歩による陳腐化、電力過剰生産の潜在性、詳細な計画の欠如に懸念を示し却下。8月に再提出した計画が今回承認され、PUCメンバーの3人からは「ハワイの電力網進化の全体像」だと評価された。

計画は直ぐに実施が始まるわけではなく、来月末提出予定の短期的ロードマップを含め、着手までにいくつかPUCの承認を必要としている。この計画の今年の予算は650万ドルで、来年は4900万ドル、2020年は3200万ドルとされている。

最も多く予算がかかるのは2021年の6900万ドルで、残り2年間は2800万ドルと2000万ドルになる予定。 PUCによると、スマート・グリッド計画の導入が成功すればHECOは2045年までに100%の再生エネルギー化を達成できる見込み。

PUCは計画承認までに公聴会を開き、連邦、州、地方の政府機関や私的組織、個人に至るまで様々な意見を聴取し、フィードバックを基に計画は大幅に改善されたという。

スマート・メーターが及ぼす健康への影響を懸念する声に対してHECOは、特定の消費者が代替のメーターを使用できるよう有線通信の研究も進めると表明。

HECOの上級副社長コルトン・チン氏は「委員会から指摘を受けて努力をした結果、より消費者重視の計画が生まれました」と声明を発表している。

(日刊サン 2018.02.17)