ハワイ地域開発局(HDCA)が16日に開いた公聴会の後、低価格住宅に関する規則の見直しが進捗を見せた。
HCDAのディレクターは当局職員が作成した規則改正の第2草案概要を受領した。提案された変更点については議論を呼んでいたが、3月に始まり5回目となった6月の公聴会以降新しい市民からの証言はほとんど出ていない。
これまでにHCDAに送られた供述書は合計で147ページに渡り、提案された低価格住宅の価格の値下げは十分ではないという住民からの意見や、これ以上規制を多くすれば低価格住宅軒数は減るだろうという開発業者の予測が含まれていた。HCDAが掲げる目的は中間層が手に入れやすい住宅を増やし、それらの住宅をより長く低価格に抑えておくこと。
改正案の最も大きな変更点として、低価格アパートメントの賃貸料の設定期限が15年から30年へと延長されている。また、現行案では低価格住宅購入者が2〜5年以内に再販した場合にのみHDCAが買い戻す事ができるとしている。改正案ではこの経過年数の制限は削除され、HCDAは売りにでた低価格住宅を買い戻し、再度設定されていた価格で販売する権利を持つと加えられた。購入者が住んで30年以内に販売する場合には売り手に利益を生む構造となる。
カカアコの低価格住宅の価格についても改正案で微調整された。HCDAは開発業者に対し新住宅プロジェクトの20%をホノルルの中間年間収入から140%までの収入の世帯に充当するよう定めている。金額にすると1人世帯では8万4900ドル、2人世帯で9万7000ドル、4人世帯では12万125ドルの世帯が相当する。
改正案では購入者と借主に対するこの収入制限は変わらず、中間年間収入額の120%以下の世帯が購入または借用する場合の住宅価格を引き下げた。中間収入額120%以下の世帯の場合、住宅販売額は1人世帯の場合43万ドル、2人世帯は49万5000ドル、4人世帯は61万ドルと改正されている。対して中間収入額の140%以下の世帯への住宅販売額は1人世帯で50万5000ドル、2人世帯は58万ドル、4人世帯で72万ドル。
HCDAは低価格住宅規則を2年かけて見直しを重ね、6月に決定する予定だった。しかし市民の意見を汲んだ職員からの提言があり、規則変更に関する公聴会が2回追加された。HCDAの委員会は9月6日午後1時からの会議で改正案について決議を採る予定。今回提出された36ページの改正案はHCDAのサイトhttp://dbedt.hawaii.gov/hcda/から確認できる。
(日刊サン 2017.8.26)
イラスト引用 habitatworldwide.org