モンクシールの原因不明死、情報提供者には褒賞金も
最近ハワイで発見されているモンクシールの原因不明死について、有力な情報には1万ドルの褒賞金が用意されている。
先月カウアイ島のエレエレ付近で、R4DPと名付けられたモンクシールの死体が発見された。当局は絶滅危惧種のモンクシールが意図的に殺害されたと予想している。2009年から11匹のモンクシールが謎の死を遂げている。11匹中5匹は死因解明の為に1万ドルの褒賞金がかけられている。 R4DPは識別タグが付けられた15歳のメス。州と連邦政府は、R4DPの死亡に関して目撃者を探している。
「もしも誰かが、弱い絶滅危惧種であるハワイアンモンクシールを意図的に殺害したのであれば、重大な法律違反を犯したことになります」とヒューメイン・ソサエティ・ワイルドライフ・ランド・トラストの代表、ベン・キャリソン氏が報道会見で述べた。
「野生生物に対する残酷な犯罪であり、特に種の存続をかけて奮闘している絶滅危惧種に対する行為であれば言語道断です。一致団結して、関わった人全てに説明義務がある事を明確に示しましょう」と同氏は話す。
ハワイアンモンクシールはハワイ以外に生息していない。この種は絶滅の危機に瀕しており、野生に残っている。
2度目の入国禁止大統領令をハワイ州が差し止め請求
ハワイ州の司法長官ダグ・チン氏は、ドナルド・トランプ大統領が再度発令した入国禁止の大統領令について、第2次大戦時、何百人もの日系アメリカ人を強制収容した大統領令に言及し、「ハワイ州こそがイスラム教コミュニティの声を代弁しなければならない」と7日に発表した。
新しい入国禁止の大統領令が6日に明らかになって以来、アメリカ国内でハワイ州が初めて、ホワイトハウスに対して法的に抵抗する措置を取った。しかし共和党議員の中には税金の無駄遣いだと反対する人もいる。
「率直に言って、ハワイの人々は大金を使って大統領令に対抗するよりも、道路を修繕して欲しいと思っているでしょう。大統領令については他の州に任せてもいいのですから」と、共和党下院議員のジーン・ワード氏。
ハワイ州司法長官は提訴手続きのために、ワシントンD.C.の法律事務所ホーガン・ロヴェルスを雇用した。チン司法長官は訴訟費用を最大15万ドルまでの限度で設けており、現段階では余裕があるが、最高裁まで進んだ場合には費用が増加する可能性もあると話す。
共和党下院議員のボブ・マクダーモット氏は、州が比較的単純な法的手続きのために東海岸の法律事務所に大金を払っていると非難した。
チン司法長官は8日水曜日の報道会見で、ハワイは旅行産業が経済の主軸を担っている州であり、セキュリティで止められる度に恐怖を抱かなければならない入国禁止令は、旅行者の客足を鈍らせると語った。「人種の多様性がハワイを特別な州に作り上げています。そして私達は他州への移動でも外国への移動においても航空を利用した移動に依存しています」と同氏。
さらに州が提訴に踏み切ったもう1つの理由として、トランプ大統領の前回の入国禁止令と内容がほぼ変化していない事を挙げている。チン氏は出演した報道番組で「本質的に、6つの異なる国の人々に対して入国を全面禁止しているのは変わりないのです。以前は相手国が7つだっただけで」と述べた。「ハワイ州に住むイスラム教徒も他の集団と同様に保護される必要があります。彼らは私達と共に暮らしていて、意見を主張する権利もあります」と加え、入国禁止令がハワイのイスラム教住民に損害を与える可能性について言及した。
新しい大統領令の内容は、イスラム教徒が多数を占める6つの国に対してビザの発行を制限し、難民受け入れを一時的に停止する。チン司法長官はこの新大統領令を「イスラム教禁止令バージョン2でしかありません」と非難する。 連邦地方裁判官デリック・ワトソン氏が8日水曜日にハワイ州の要求を受け、大統領令の施行が始まる前日の3月15日に口頭弁論の開催が決定した。
Hawaii Five-O 最新話で非営利団体と売春問題を提起
ハワイの非営利団体がCBSのドラマ『Hawaii Five-O』と協力して、ハワイにおける性的人身売買の問題に全米の目を向けさせた。
ホオラ・ナ・プアの創立者ジェシカ・ミュノズ氏は2016年、売春のパラダイスと称されるハワイに潜む危機を、浮き彫りにした公共広告を打ちたいと、TV番組のプロデューサー達に話を持ち掛けていた。
CBSのチームが公共広告に賛同し、番組の1話全てを社会問題の啓発に捧げる事に決めた。10日金曜日に放映されたシーズン7第19話のタイトルは『プカ・アナ』。CBSはハワイ語でエクソダス、出エジプト記の意味だと説明する。 女優のグレース・パーク氏が演じるコノが、性的人身売買ネットワークを調査し売春業者の逮捕を目指す。ワイナマロの一軒家に虐げられ怯えた、多数の被害者達が発見されるドラマティックな場面があり、最終的に売春業者は逮捕される。同番組のプロデューサーによるとHawaii Five-Oは毎週1000万人近くに視聴されているという。
ミュノズ氏は「全米の方に、ハワイで起こっている性的人身売買の事実を伝えられた素晴らしい機会でした。売春はハワイに限ったことではありません。全ての人が問題意識を持たなくてはなりません。専門の団体や警察だけに任せておけばよい問題ではなく、全ての人が協力して取り組まなければなりません」と述べた。
Hawaii Five-Oでエクゼクティブ・プロデューサーを務めるブライアン・スパイサー氏は「TVドラマを作るために制作したストーリーとは反対の、このような社会問題を提起するエピソードの方が好きですね」と、話していた。
ホオラ・ナ・プアは未成年の性的人身売買の被害にあった少女達の更生をめざしし、健康や教育面、権利擁護、社会復帰を支援する非営利団体。
今回のエピソードがグレース・パーク氏に与えた影響も大きいようだ。同氏は「今回のような内容は1週間、1ヵ月そして何年も頭から離れないでしょう。私にとってとても重要な題材でした」と明かした。 ホオラ・ナ・プアの詳細や公共広告の視聴はhttp://hoolanapua.org/
ホノルル市、新築される大型施設にAED設置義務化
カーク・コルドウェル市長が9日、全ての市の公共設備とオアフ島に新築される建物には自動体外式除細動器(AED)の設置を義務付ける法案にサインし、法制化が決定した。 コルドウェル市長はホノルル市緊急サービス、消防局と並んだ報道会見の場で今回の法律で「心臓発作が起きた人の命をより多く救えるでしょう」と述べた。
市議会で先月承認されたこの法律は、全ての公共の建物と2018年1月1日以降に建設される50人以上を収容する建物において、各階にAEDを設置、維持することを義務付ける。 「誰の命も失ってはなりません。命を救う可能性を高める素晴らしい変革です」と市議会委員のブランドン・エレファンテ氏。
病院以外で心臓発作を起こした場合の生存率は8%に満たない。しかし、全米疾病管理予防センターによると、発作が起きた際に付近の人が救急車到着前にAEDを使用すると、その生存率が23倍増加するという。
法的な懸念点として、心臓発作を起こした人にAEDを利用して救助を試みた際の免責については“善きサマリア人法(良識的な救助を試みた際失敗しても罪に問われない)”が参照されている。市議会で審問が行われた時には、ビル所有者管理者ハワイ協会が「AED購入とトレーニングの費用を援助する市の体制が整うまで、AED設置の義務化をするべきではない」と懸念を示していた。アメリカ心臓協会によると、AED1台の値段はおよそ1500~2000ドル。
28歳の娘を2009年に心臓発作で亡くしたシャロン・マエカワさんは報道会見の場で、新法律を称賛していた。彼女の娘の命は建物にAEDが設置されていたら助かっていたかもしれないと話す。「心臓発作は誰にでも起こる可能性があります。何歳でも、何処にいても、時を選ばずに」とマエカワさんは述べた。
花火で締めくくられた第23回ホノルルフェスティバル
毎年恒例のホノルルフェスティバルは12日日曜日、ワイキキを練り歩くパレードと、新潟県名産で日本国内でも有名な長岡花火で幕を閉じた。パレードは午後4時から始まり午後8時まで、カラカウア・アヴェニューを通ってカピオラニパークへ向かった。
パレードが後の8時30分過ぎから、長岡花火の打ち上げが始まった。花火は沖に浮かんだフロートより打ち上げられ、ワイキキの海岸のどこからでも美しく眺められた。
今年は10日から始まったホノルルフェスティバルは、環太平洋の国や地域の生活スタイルや文化を紹介しあい交流するリスペクトする目的で行われている。週末には盆踊り、映画上映、クラフトフェアや、お祭りに訪れた人が参加できるイベントも多く催された。
詳細はhttp://www.honolulufestival.com/en/
ハワイのシェフ、サム・チョイ フードトラックをオープン
ハワイの人気シェフ、サム・チョイ氏が11日、シーフードとポキのフードトラックをオープンした。
店はポリネシアン・カルチャー・センター内で40店舗以上の小売店や飲食店が並ぶ、フキラウ・マーケットプレースに出店された。チョイ氏のフードトラックはパウンダーズ・レストランやアンティ・エミリーズ・ベーカリー、ティタズ・グリル等と共に119,000スクエアフィートのマーケットプレース内に並ぶ。営業時間は午後12時から午後4時まで。
ハワイ料理団体を立ち上げた12人のシェフの1人でもあるチョイ氏。ホノルルにあったレストラン『サム・チョイズ・ブレックファースト・ランチ&クラブ』は、15年間営業した後2013年に閉店。同シェフの『ダイアモンド・ヘッド・レストラン』も2008年に閉店している。現在営業中のレストランは、カイルア・コナのケアウホウショッピングセンター内に2011年にオープンした『サム・チョイズ・カイ・ラナイ・レストラン』だ。
巨大ソーラーファームカウアイ島に建設決定
実業家イーロン・マスク氏率いるテスラ社の子会社である、テスラ・エナジー社とソーラーシティ社が、カウアイ島に巨大な太陽光ファームとエネルギー貯蔵設備を建設するプロジェクトを8日水曜日に発表した。ソーラーシティ社は最近テスラ社に買収されている。
2社とカウアイ島公益事業協同組合(KIUC)、他にも複数の会社が8日水曜日の朝に開催された新プロジェクト発表式典に集まっていた。プロジェクトはリフエ北部のグローブ・ファーム社が所有する50エーカーの土地に開発される。
「KIUCのオーナー会員の方々にとって、大変重大なプロジェクトです」と、KIUCの代表でCEOのデビッド・ビッセル氏は話す。「日没後もバッテリーに貯蔵した太陽光エネルギーを使用できることで、貴重な燃料の使用量や、温室効果ガス排出量を減らすことができるでしょう」
アメリカ国内で初めてとなる、太陽光エネルギーを夜間でも需要に合わせて供給できる画期的・実用的なシステムのプロジェクトの運用には、テスラ・エナジー社が選ばれ、ソーラーシティ社がシステムを構築した。 テスラ社の52メガワット時リチウムイオン電池貯蔵システムは、送電網1区画に最大13メガワットの電力を供給する。
「史上初めて、太陽光エネルギーが24時間、必要な量に応じて供給可能になります」とテスラ社の共同設立者で技術主任のJ.B・ストローベル氏は述べた。 このプロジェクトでは、およそ55000台のソーラーパネルと、272のテスラ社の貯蔵電池が導入され、KIUCの供給する電力の40%以上相当の再生可能エネルギーを生成する。
KIUCはこのプロジェクトから電力を1キロワット時あたり13.9セントで20年間購入する契約を結んでおり、この値段は現在の石油にかかる費用よりはるかに安い。
KIUCはヴァージニア州のAES社とも太陽光とバッテリーを併用した貯蔵プロジェクトをカウアイ島サウスショアで開発する契約を結んでいる。こちらは28メガワットの太陽光ファームと、20メガワットを5時間貯蔵するシステムを備える内容。 ラワイとコロアの間にあったサトウキビ農場に開発される予定で、州で最大規模の太陽光ファームプロジェクトになる。さらに、電力貯蔵システムとしては世界で最大の設備となるだろう。