ハワイ島で噴火の勢いと同様、ハワイ経済の勢いも加速している。
州の産業経済開発観光局(DBEDT)が1日に発表した四半期レポートによると、観光客の訪問数と消費額の記録更新が続き、常に失業率は低く、一般消費税の税収額も増加、ハワイ発着の航空座席数の増加が予定されている中で、今年の経済成長の勢いはさらに加速すると予想された。DBEDTのチーフ・エコノミスト、ユージーン・ティアン氏はメールで「第1四半期の結果が予想よりも好調だったため、経済予想を見直し上方修正しました」と述べた。
1~3月の飛行機利用の訪問者数の数は240万人に上り、四半期の訪問者数記録を更新。ハワイの失業率は全米で1番低い2%前後が続いている。州の一般消費税税収は15.3%増加し、2002年の第3四半期以来の増加率を見せた。今年後半に就航が予定されているサウスウエスト航空の便を含めずとも、2018年の航空座席数は8.2%増加する。
7年連続で訪問者数と消費額の記録の更新が見込まれる中で、DBEDTは今年の訪問者数増加率の予想を2.7%から6%に上方修正した。消費額は4.5%から8.6%の増加に修正。どちらも修正の根拠は、市場参入が予想されている航空座席数の増加だとされた。
ティアン氏は4月のカウアイ島の洪水被害もハワイ島の噴火も観光へのダメージにはならないと予想する。「本土からカウアイ島への5月の訪問者数は前年より50%、ハワイ島への訪問者数も20%以上増加しています。どちらの島も長期的な災害の影響はあっても、短期的な大きなダメージは無さそうです。災害の影響は住宅不足や郡の固定資産税収の減少等に表れるでしょう」と述べた。
DBEDTの予想する今年の訪問者数は995万人で、消費額は183億4000万ドル。DBEDTは今年のハワイの実質的GDPの予想額も、1.7%から1.9%の増加に上方修正した。非農業部門就業者数も1%から1.2%の増加に見直し。DEBEDTのディレクターは「観光、サービス、ヘルスケアの業界が経済成長を支えるでしょう。この3業界は第1四半期に1万の雇用を増加させました」と話す。
建設業界の第1四半期は長短混じった結果となった。州全体の建築許可発行数は23.9%減少し、ホノルル郡では37.2%、マウイ郡では0.2%減少。一方でハワイ郡は15.1%、カウアイ郡では28.7%増加した。ティアン氏は「第1四半期は、カウアイ島のコンドミニアム中間価格を除き、4郡全てで住宅の売上数と中間価格が上昇しました。オアフ島では中間価格が1戸建て住宅で4.6%、コンドミニアムは7.5%上昇しました」と述べた。
(日刊サン 2018.06.12)