税金未納のバケレン運営者(ホスト)の取締強化を進めている州は、エアビーアンドビー社(Airbnb)のバケレン情報の召喚命令を求め、巡回裁判所に提訴していたが、同社は10月最終週、州税務局にバケレン情報を提供することに同意した。
州は訴状において、多くのホストは認可なしに違法バケレンを運営。その収入が少ないためAirbnbは国税庁に納税申告書を送っておらず、州はこれらホストから税の徴収が出来ていない、また、Airbnbのウェブサイトではホストの名前がファーストネームで表示されており特定しにくい、と主張していた。
州巡回裁判所での合意によると、Airbnbは2016年から2018年までに年間収入が2千ドルを超えた1,000件のホストの匿名データを税務局に提供する。その後、州はこれらの個別データを要求することになる。ホストがデータ提出に異議を唱え法的手段に訴えた場合、Airbnbはそれが解決されるまで州へのデータ提出を差し控える。
税務局は、600人のAirbnbホストの調査を行ったが、多くのホストが売上税徴収のための免許を取得しておらず、ホテル宿泊税徴収のための口座を設けていないことが判明し、召喚命令の取得は必要であると主張していた。
また、Airbnbは年間収入2千ドル以下のホストに対しても書面で通知することになる。
すべてのホストに対する通知は、売上税を徴収する免許とホテル宿泊税徴収のための登録証の取得、税務申告書の提出と州税の支払の必要性を告知するものである。
ハワイ大学法学部のニコラス・マーケイ教授は、「今まで、納税すべき人がいることは分かっていたが、その特定ができないでいた。ハワイ州には召喚令状を送達する合理的な根拠があると裁判官が判断した点において、この合意は画期的なものである」と述べた。
州は昨年、Airbnbから過去10年間のバケレンの記録を召喚しようと提訴に踏み切った。しかし、第1巡回裁判所は昨年2月、州はAirbnbを利用するホストが税法を順守していないことを充分に立証できていないとして、州の訴えを退けたが、州は昨年6月、召喚状の承認を求めて再度提訴。その後、税務局とAirbnbは交渉を重ね、今回の合意が成立した。
ハワイ州の各郡は短期レンタルの許可証を発行しているが、その規制内容は郡によって異なる。ホノルル郡は、今年初めに施行された厳格な条例によって違法ホストの取締りを強化した。
同条例施行前の段階では、約800の合法的な短期レンタルあったが、違法レンタルの件数はその約10倍であったと見られている。
(日刊サン 2019.11.16)