今年、訪問者数が1,000万人を超えると予想されているハワイだが、一方で4月に申請された破産保護法の数は151件となり、前年4月の94件から60.6%の増加。
合衆国ハワイ地区破産裁判所によって公表されたデータによると、2015年の3月の157件に次ぐ、近年で最多レベルの月間破産申請数だった。破産申請数は3カ月連続で昨年より増加しており、今年の4カ月の合計では489件に。昨年の同期間より63件も多い。この調子が続けば、7年連続していた破産申請数の減少が今年でストップする。
ホノルルの破産弁護士グレッグ・ダン氏は、今年に入ってこれまでに昨年1年間分の半分以上の申請を対応したという。「今年、破産数は急増しています。経済が上向けば破産は減ると思われるでしょうが、実入りが良くなれば出費も増え、限度を超えてしまう人も増えるのです。また、学生ローンを理由にした破産も増えています」と同氏。最も多い破産法第7章の申請数は105件で、昨年4月の63件から66.7%増加。定期的な収入源のある個人が債権者に対し3~5年をかけて返済を行う破産法13章の申請数は46件で、昨年の31件から48.4%増加。事業再編に伴う破産法11章の申請は、今年も昨年も4月は0件だった。
産業経済開発観光局のチーフ・エコノミストは、破産申請数の急増は他の経済データとは一致していないと語る。「今後の成り行きや今年1年全体の結果はわかりませんが、他のデータが示す経済指標とは同調していません。通常、破産申請数が増えれば解雇も増えていますが、解雇の増加は全く見られません」と述べた。州内の主要な4郡を見てみると、うち3郡は前年比より破産申請数が増加。ホノルル郡は62件から112件に、ハワイ郡は12件から13件、マウイ郡は15件から21件に増加していた。カウアイ郡だけは昨年と同じ5件に留まっている。
(日刊サン 2018.05.16)