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ハワイ経済ニュース:4月の失業率は2%未満,最低記録を再び更新

ハワイの4月の失業率は、再び2%を切った。 州の労務・労使関係局(DLIR)がハワイの失業率が最低記録を更新したと発表。最近では3度目の記録更新となる。しかし前回の記録更新である11月と12月の失業率は、よりデータが集まった後日に2%を超える数字に修正された。

 

今後4月の失業率が修正されたとしても、観光業界が大変好調な中でハワイの経済が強固であることに違いはないと言える。ハワイでは3月まで6か月連続で全米で最も低い失業率を記録。4月の失業者は3月から約100人減少した1万4000人で、1989年11月に記録した失業者数1万3550人に次ぐ、少ない失業者数となった。

 

ハワイ大学経済研究機構(UHERO)のエクゼクティブ・ディレクターで経済学者のカール・ボーナム氏は「ハワイの労働市場の人材不足が示されています。労働人口のうち職を持っていない人がたった2%しかいないのです。この数字は非常に少なく、雇用が充分にある状態を示した良い傾向だと言えます。人材の奪い合いが発生し、賃金の上昇が始まる時期でしょう」と述べた。

 

5月はキラウエア火山の噴火がハワイ島の観光に悪影響を与えたが、州の失業率への影響はないとDLIRは予想している。同局の広報担当ビル・クンストマン氏は「非公式な算定ではありますが、火山の噴火を要因とした報告はこれまでに100件程度です。失業率を変動させるには及ばない件数です」と話す。カウアイ島の洪水による失業者の数も「非常に少ない数」だと同氏は加えた。

 

ハワイの失業率低下の傾向は合衆国全体の失業率の傾向と同調しており、合衆国全体の4月の失業率は3.9%で2000年12月以来の低い失業率に。4月までは6カ月連続で4.1%前後を記録していた。

 

被雇用者、求職者、個人事業主を合計した4月の州の就業者数は68万5700人で、4月の68万4650人から増加。被雇用者の人数は、3月の67万550人から67万1700人に増加した。

 

ボーナム氏は、失業者数はわずかな減少を続け2019年に増加傾向に転じると予想。「経済情勢が失速するにつれて、失業率も少し増加すると予想しています。現在、戸建て住宅やコンドミニアム、リゾートが実質的に増加しているわけでなく、観光の好景気期間にあるだけなのです。しかし検討中のリゾートやコンドミニアムの建設が実現すれば、経済を押し上げるでしょう。昨年の経済で不調だったのは建設関連の職でした。建設業の需要が高まれば、失業率がさらに低下する可能性もあります」と同氏は語った。

 

州内では2つの郡で失業率が低下。残る2郡の失業率は前月と変わらなかった。なお、州と合衆国全体の労働データは、冬のホリデイや夏のバケーションといった季節的な要因によって調整されるが、郡のデータは季節調整のない数字となる。

 

ハワイ郡は2.4%から2.2%に、カウアイ郡も1.9%から1.8%に低下した。ホノルル市郡は1.9%、マウイ郡は2.0%で変わらず。マウイ郡の中でも、マウイ島は1.9%で前月と変わらなかったが、ラナイ島は2.6%から2.1%に低下。モロカイ島だけは前月の3.8%から4.8%に上昇していた。

 

(日刊サン 2018.06.05)