ガソリン代や電気料金の急増により、昨年のホノルルの消費者物価は2011年以降最も速いペースで上昇。2017年のインフレ率は2.5%で、ホノルルの20年間の平均インフレ率2.3%をわずかに上回り、州のエコノミストの予想範囲内の数値だった。
ハワイ州産業経済開発観光局(DBEDT)のチーフエコノミスト、ユージーン・ティアン氏は12日、アメリカ合衆国労働省労働統計局のデータ公表後に「平均的な数値です。経済の成長が速ければ、インフレーションも速く進みます。インフレ率の増加は石油価格が原因です。原油価格は7.7%上昇しガソリン価格の上昇率は2桁に及びました。今年も同様のインフレ率が予想されます」と語った。
ハワイは全米一、 エネルギーコストが高い
ハワイは全米で最もエネルギーコストが高い州だ。1キロワット時の平均電気料金は29.29セントと全米で最も高く、全米平均の12.84セントの2倍以上。レギュラーガソリンの1ガロン当たりの平均価格は3ドル30セントでこちらも全米最高価格。全米平均の2ドル52セントよりも78セント高い。
インフレーションの尺度として広く用いられる消費者物価指数は、DBEDTが予測していた2.5%と合致し、ハワイ大学経済研究機構(UHERO)の予想した2.7%よりは低かった。
2018年の消費者物価指数については、DBEDTは2.3%、UHEROは3.1%と予想している。
2017年の第1四半期から第3四半期までの個人所得は2.6%増加したが、インフレ率が2.5%であればインフレ率調整後の所得増加率は0.1%とごくわずか。ティアン氏は消費者の購買力への影響はほとんど無かっただろうと話す。
高いエネルギー価格によってホノルルのインフレ率は、2004年以降2014年を除き常に全米平均を上回ってきた。2017年の全米平均のインフレ率は2.1%で、ホノルルよりも0.4%低い数値。ホノルルのインフレ率が2.5%を超えたのは2011年の3.7%が最後で、20年間を比較すると最も高いインフレ率を記録したのは大不況の前年、2006年の5.9%だった。
ガソリン代は10%上昇
2017年7〜12月のガソリン代は前年同期より10%上昇、電気料金は5.9%上昇し、2017年のエネルギーのカテゴリー全体の消費者物価は7.7%増加。賃貸住宅の家賃や所有住宅の家賃相当額を示す「シェルター」の項目は4.1%増加。シェルターの価格は消費者物価指数の3分の1を占める。
他に増加が見られた物価は、食料及び飲料が2.9%、交通費が2.8%、医療費が2%、アルコール飲料が1.5%、衣料が1.5%、娯楽が0.5%だった。
ティアン氏はDBEDTが次の経済予想を2月8日に発表すると述べ、今年は連邦税の減税が施行されたことで消費者の可処分所得が増えインフレーションを加速させるだろうと予想。しかしガソリン代の値上がりが減速することでインフレーションが部分的に抑えられるだろうと加えた。