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ハワイ経済ニュース:1月の訪問者数は増加、しかし支出は減少

ハワイ州観光局(HTA)の最新の予備統計によると、3年以上に渡って上昇してきた訪問者支出が2019年1月に減少した。

1月の訪問者数は、前年同月比3%増加し82万621人なったが、訪問者支出は4%近く減少し16億2千万ドルになった。この訪問者支出の減少は、6%近く減少した2015年10月以来最大の減少幅である。

 

HTAのクリス・テイタムCEOは、「支出減少を懸念するのは時期尚早である。2018年の前半は非常に堅調だったので、それに比較すると現在の落ち込みが際立って見える」と述べた。「1月は、ホテル・スト、暴風雨、その他の問題が起こった昨年の第4四半期の影響を受けている。1月の訪問者数は増加しているのにホテルの稼働率は減少している。ホテルは比較的支出の多いゲストが滞在するので、稼働率の減少が支出の減少を招いていると考えられる」と同氏は述べた。

 

STR社のホテル・レポートによると、州全体のホテルの稼働率は2.8ポイント低下し、79.5%となった。2015年1月の77.5%以来の悪い数字である。1月のホテルの稼働率減少の原因は、政府機関の部分閉鎖、冬の嵐、米中貿易摩擦等に悪影響を受けた可能性があるとの指摘もある。テイタム氏は、違法なバケーション・レンタル(バケレン)がホテルの稼働率低下の一因の可能性があると述べた。バケレン、タイムシェア、レンタル・ハウスの利用は増加している。全体として、1月の実績は、良し悪しの混在であった。航空機による訪問者数は、カナダを除き、米国西部・東部、日本等の主要マーケットからは上昇した。

 

1日当たりの平均個人支出額は、5%減少し199ドルとなった。オアフ島だけが訪問者数と支出の両方が増加した。マウイ島は訪問者数が伸びたが、支出は減少した。ハワイ島とカウアイ島は訪問者数・支出とも減少した。ホテル稼働率は年々減少しているが、1泊当たりの平均室料は堅調を維持している。テイタム氏は、第2四半期は「もう少し強含み」になるだろうと述べた。

 

コオラウロア地域の活動家のKCコナーズ氏は、ハワイの観光業界は訪問者数に気を取られ、訪問者支出の目標を達成したことがない、と述べた。エコノミー・クラスのキャリアであるサウスウェスト航空がハワイ便の就航を開始し、全日空が5月24日に520席のエアバスA380スーパージャンボの就航を開始するが、あまり感心しない、「もっとバランスをとる必要がある。観光業界は、ハワイの土地と美を有効活用し、もっと利益を追求すべきだ」と同氏は語った。

(日刊サン 2019.03.09)