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TMT紛争、 イゲ知事が双方に自重を要請

Bynikkansan

9月 21, 2019

イゲ知事は913日、州議会での記者会見で、30メートル望遠鏡(TMT)紛争が激化する中、自身と州職員が死の脅迫を受けていると述べた。ソーシャル・メディアでの脅迫・辛辣な表現の例を挙げ、両陣営に暴力行為を防ぐために論争のトーンを下げるように要請した。イゲ知事は同会見でTMTの方向性を示すものとみられていたが、「お互い話し合い、一緒に解決の道を模索しようと考えている。ハワイ郡のハリー・キム郡長などと協力し、平和的な解決策を模索している」と語った。

TMT反対派のリーダーのアンドレ・ペレス氏は、後に記者団に対し、「反対派のメンバーは、神聖なマウナ・ケアを守るため、非暴力反対運動の「カプ・アロハ」の精神に従っており、脅迫に関与しているとは思わない」と語った。

活動家たちはマウナ・ケア山頂の14億ドルのTMT建設を阻止するために、7月中旬からダニエル・K・イノウエ・ハイウェイとマウナケア・アクセス道路の交差する地点で抗議活動を続けている。

会見に同席したクレア・コナーズ司法長官は、「96日のプウ・フルフル・キャンプ近くの抗議小屋の撤去以降、パブリック・メッセージングとソーシャル・メディア上で過激な投稿が現れ懸念が高まっている」と説明し、「法執行機関は、過度の力を行使していない。その場の情勢に対応し、適切に行動している」と付言した。

コナーズ長官は身元不明の男性が州の従業員に「あなたが死ぬことを願っている」と話すボイスメールを再生し、TMTの従業員を暗殺することを示唆する投稿や、先週の反対小屋の撤去に関与した法執行官の身元情報提供に5千ドルの懸賞を提供するなどの辛辣な投稿を示した。

州公安局長のノラン・エスピンダ氏と州ハワイアン事務局のウィリアム・アイラ局長代行は、「法執行官や公務員として勤めている個人に向けられたこの投稿は恥ずべきもので、彼らを傷つけるものである」と非難した。

「ハワイの価値観を保護していると主張する人々が自分たちの身元を隠し、このような脅迫戦術を採ることは、嘆かわしく、無責任で、心を痛める行為である」とイゲ知事は語った。

一方、反対派のリーダーのペレス氏は、反対運動の「山の保護者達」は法執行官をターゲットにはしていないと述べた。

カ・ラフイ・ハワイ政治行動委員会のヘアララニ・ソノダパレ氏は、知事の告発は反対派を犯罪者に仕立て上げ、過度の武力行使を正当化するものであるとコメントした。

反対派は、「800人の州兵が9月の初めの週に、アクセル道路の反対派を排除するために召集され、鉄条網と逮捕者を入れる檻が用意された」という情報を流したが、イゲ知事は「その情報は出所不明である」と反論している。

(日刊サン 2019.09.21)