州が税金滞納を調査するため、Airbnbの物件提供者の10年分の請求書、領収書、その他の記録を召喚しようとしていることに対し、エアビーアンドビー(Airbnb)は、州法および連邦法に違反する前例のない「権利の侵害」であると主張している。 同社は1月30日の州巡回裁判所で、州の請求は約16,000人の詳細な個人データを網羅している。「Airbnbとそのユーザーのプライバシーの大規模な侵害」は許されるものではないと主張し、サンフランシスコに拠点を置く同社は、ハワイ州に対し全面対立の姿勢である。 先月のニューヨークの裁判では、ホーム・シェアリングを行っている所有者の名前・その他情報の開示を求める市法の執行停止命令が出された。ニューヨーク市は、違法なホーム・シェアリングを取り締まり、罰金の課金を科すために、同法を制定している。 米連邦地裁のポール・A・エンゲルマイヤー裁判官は、仮差止命令を出し、ホーム・シェアリング提供者に「驚くほどの」量の情報の開示を強制することは違憲だと判断した。 ハワイの訴訟では、Airbnbの弁護士は、州に情報召喚を許すことは、法律違反者を探して州が一軒一軒訪問することを承認するようなもので、違憲である、と訴えた。 ハワイ州は、バケーション・レンタルの運営者が6ヵ月未満の賃貸に対しホテル宿泊税と一般消費税を払うよう徹底してきた。 州検事総長の召喚令状発行の申請書には、ハワイ州観光局の推定によると、2018年のホテル宿泊税はきちっと徴収されていれば1億3千6百万ドルに上ったはずである、と述べられている。しかし、実際の徴収額は記載されていない。 問題を複雑にしているのは、多くのハワイのバケーション・レンタルが違法に運営されているという事実である。ハワイでは、許可は各郡がおこなっており、その規制内容は郡により異なる。ホノルル郡では、1989年以降新しい許可はない。ホノルルでは、800の合法的なバケーション・レンタルとベッド&ブレックファースト施設があるが、違法施設はその約10倍になると推定されている。 ホノルル市議会と市長は、過去何年にもわたり議論してきたが、より効果的な規制案について合意できていない。 Airbnbは1月30日の裁判で、州は、全ての或いはほとんどの利用者が正規の税金を払っていないという証拠を提示出来ておらず、正規の税金を払っていないと考えられるグループの特定も出来ていない、と主張した。 「ハワイ法も連邦法もそのようなフィッシング(情報詐取)を禁止している。州税務局は過去にこのような大規模な情報提供を他の企業に求めたことはない」とAirbnbは述べている。 州は、ホテル宿泊税と売上税の滞納者を特定するため、去年裁判所に情報の召喚令状を申請した。 次回の裁判は2月7日に予定されている。
(日刊サン 2019.02.09)