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高収入層の税負担増加、ホテル施設税も増額

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 州全体では、州議会の定めた法令第209号により3つの課税区分が復活し、一定以上の収入を得る層の税負担が多くなる。一方で低収入層の勤労所得税率は優遇を受ける。税額が軽減されるのは合算所得申告額が年間30万ドル以上で、世帯主が22万5000ドル以上または1人世帯で15万ドル以上の収入がある人。例えば合算申告の場合、30万ドル〜35万ドルの年収の世帯は課税対象収入額の9%、35~40万ドルの世帯は10%、40万ドル以上の世帯は11%が勤労所得税率となる。世帯主の収入が30万ドルを超える場合と1人世帯で20万ドル以上の収入がある場合には11%の税率が適用される。

 社会福祉団体の代表は所得税控除の施行を支援し、低収入の労働者の税負担を軽くすると証言。州の勤労所得控除は連邦の勤労所得税額控除の対象者も受ける事ができ、適用される連邦控除額の最大20%に相当すると見られている。

 1日からは最低賃金も85セント上がり1時間当たり10ドル10セントと定められた。最低賃金の増額は2014年に上院議会から提出された法案2609号が可決されて以来4度目。2014年1月に2007年に定められた最低時給7ドル25セントから7ドル75セントへ。2016年に8ドル50セント、昨年9ドル25セントとなっていた。連邦の最低時給は2009年から変わらず7ドル25セント。

 今年からハワイ中のどのホテルや他の宿泊施設も利用しても値上がりから免れない。TATやホテル客室税として知られる臨時宿泊施設税が1日から9.25%から10.25%に増額。この税率が今後13年間続く。この増税は総額100億円近くの予算に膨らんだイースト・カポレイからアラモアナ・センターを繋ぐ市の鉄道計画を前進させる目的で施行された。増税を定めた上院法案第4号は特別議会を通過し昨年夏にデービッド・イゲ知事がサイン。

 同法案ではさらに、ホノルル市の一般消費税4%への0.5%の上乗せを2030年まで延長させると定めている。TAT増税により13億3000万ドル、追加消費税により10億5000万ドルと合計およそ24億ドルが鉄道計画に拠出される見込み。TAT増税に関しては、ホテル客室料金増額により市場競争で不利になると観光業界からは異議も唱えられている。

 

(日刊サン 2018. 1. 6)