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食品の安全を守る新ルール、施行開始

Bynikkansan

9月 9, 2017

@pixabay

 

ハワイにある約8500軒のレストランは26日から、食品取扱安全コースを修了した従業員を最低1人置かなければならない。

州の保健局が州内で開いてきた一連の公聴会の結果、公衆の安全を守るために設けられた新ルールで、26日から施行が開始されたが完全施行までに1年間の猶予がある。

保健局の衛生部門チーフ、ピーター・オオシロ氏は、全ての食品施設オーナーとマネージャーが食品安全の最低限の知識を持つよう、新しく義務を定めたと話す。同氏はこの新ルールの施行を、3年前のレストラン・プラカード・プログラムを始めとするハワイの食品の安全を巡る構造改革の1つだと語る。

検査官は昨年、衛生法規の違反行為にイエローのプラカードをハワイの食品施設の18%に発行。初年度の34%の施設への発行と比べると大幅に減少している。

新ルールでは開店前の準備時間を含めた営業時間に、最低1人は米国国家規格協会が定める食品取扱者トレーニング認定証を持つ従業員を置かなければならない。この認定はオンラインでトレーニングを受ける事も可能で認定証発行費用は10~15ドル。2018年9月2日以降に行われる衛生検査時には、認定証を提示する必要がある。

食品の安全に関する企業のオーナーを務めていたカネオヘ在住のトム・フリッジさんは、新ルールを「正しい方向に向かう第1歩」と評価した。彼は、ハワイの飲食業界の労働者やオーナーには英語を第2言語として使用している人も多く、食品に対する異なる文化や衛生観念を持つ場合が多いと話す。

他州はマネージャーに7時間の食品安全コースを義務付けていると述べ、ハワイも他州に続くよう望んでいると明かした。

他にも26日以降、野生のマッシュルームの販売には保健局の許可が必要となった。また、保健局の検査官が一般の苦情を含む全ての検査においてプラカードを提示することができるようになり、有効な許可なく営業している飲食店には「閉店」を示す赤いプラカードを提示するよう変更された。

今まで検査官がプラカードを提示するのは定期検査と追跡調査、食中毒等疾病が発生した場合の検査に対してのみだった。今後、許可なく営業し閉店にも応じない場合には、保健局は訴訟に発展させる。

新ルール下では、閉店を命じられたあとにも営業を続けた場合、命令後に発生した取引1件に対し1000ドルの罰金を課す。さらに保健局は、罰金や規定の費用の支払いが30日を超えて遅れた食品施設には営業許可の更新を拒否できると定められた。

 

(日刊サン 2017. 9. 2)