日刊サンWEB

過去記事サイト

長引く噴火の影響でパパイヤ不足

Bynikkansan

6月 19, 2018

ホノルルの会員制クラブ『ザ・パシフィック・クラブ』のシェフは6月初めに、火山の影響でパパイヤが提供できないと顧客に向け謝罪文を掲示。「女神ペレがその強さを示し続ける中、入荷が再開される時期が不明です。皆様のご理解に感謝し、またご提供できる日を楽しみにしています」と述べられていた。5月3日以降、噴火が続き溶岩が海へと流れ出ている。溶岩が流れるエリアの多くのパパイヤ農園は破壊され、その影響はハワイ中の卸業者やシェフ、消費者へと広がっている。生計も住宅も失うこととなったパパイヤ農家にはより深刻な被害となった。

 

ハワイ・パパイヤ産業協会の代表、エリック・ワインハート氏によると、ハワイで生産されるパパイヤのうち90%がプナ地区で栽培されているという。「火山の土地が世界で最も優れたパパイヤ産地である理由は、乾燥した地質にあります。この土壌によってハワイはより優れたパパイヤを生産できるのです」と同氏。

 

プナ地区にあるハイウェイ130、132、137号線で区切られた2000エーカーを超す三角地帯には、同エリアのパパイヤ農地の半分以上が集中している。現在そのすべてが溶岩に埋もれたかアクセス不可能な状況で、火山ガスによって木々も破壊され、少なくとも150以上の農園に影響が及んでいる。

 

農園主やその家族のみでなく、雇用や輸出量の喪失としても被害が出ている。ハワイで生産されたおよそ半分は州内で消費され、残り半分は本土やカナダ、日本へと輸出されている。パパイヤの成長には3年を要し、生産量の回復には時間がかかりそうだ。卸売業のアームストロング・プロデュースによると、通常週に1200~1400ケース入荷されていたハワイ島のパパイヤは、480~500ケースに激減した。

 

州で農業ローンを担当するギャレス・メンドーサ氏によると、オピヒカオからカポホの農園の支援を開始しているという。州の農業委員会は緊急ローン・プログラムを承認。キラウエア火山の噴火被害を受けた農園に、金利3%で最大50万ドルを貸与する。ローンの申請は2019年6月まで。

(日刊サン 2018.06.16)