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釣り針の摘出手術を受けたモンクシールが野生に戻される

Bynikkansan

5月 30, 2015

生後約一年のハワイアン・モンクシールが、飲み込んでしまった釣り針を取り除くために緊急処置を受けた後、22日金曜にカウアイ島に搬送され、野生に戻される予定だ。フォード・アイランドにある国立海洋大気圏局の施設で、20日水曜日、モンクシールから釣り針が取り除かれた。ダメージは最小限に抑えられたと連邦海洋局は伝えている。

 

「経過は良好だと思います」と釣り針の摘出を担当した獣医のグレッグ・レヴァイン博士。レヴァイン博士によると、釣り針を取り除くには2時間かかり、麻酔が必要だった。モンクシールの食道の中に入っている釣り針を見るために、レヴァイン博士は小型カメラを用い、釣り針をひっかけることが可能な堅い金属製の器具で、喉から釣り針をゆっくりと引き抜いた。「釣り針はとても深く刺さっていたので、手術は大変でした」とレヴァイン博士。術後のモンクシールは、木曜日にはプールで泳いでおり、食べることもできたと博士は話している。

 

ハワイアン・モンクシール(Monachus schauinslandi)は、世界で最も珍しい海洋哺乳類のひとつであり、絶滅危惧種に指定されている。釣り針が引っかかり、除去が必要なハワイアン・モンクシールは、年間約10から15頭ほど発見されていると、国立海洋大気圏局のハワイアン・モンクシールリカバリー・コーディネーター、レイチェル・スプレイグ氏は述べた。釣り針による怪我によって年間約2頭が死んでいるという。

 

口に釣り針をくっつけたモンクシールを見たという通報が、カウアイ島の地域ボランティアから寄せられた後、火曜日、アメリカ沿岸警備隊がモンクシールを航空機でオアフ島に移送。モンクシールに引っかかっていた釣り針は、明らかに海岸で釣りをしている人、主にウルア狙いの釣り人のものであるとスプレイグ氏は説明している。

 

ハワイアン・モンクシールの全体の生息数は、10年前の1500から1600頭に比べて今年は1100から1200頭に減少しているとスプレイグ氏。主要ハワイ諸島での生息数は、年間約5パーセント増加しているが、北西ハワイ諸島では減少。北西ハワイ諸島での生息数減少の主な原因は、食糧不足や他の捕食動物との生存競争、海洋ゴミに引っかかる事故などが含まれている。国立海洋大気圏局とそのパートナーによるモンクシール保護策には、釣り針を取り除くことや病気の治療、飢えたモンクシールのリハビリ、手術などが含まれている。

 

「ハワイアン・モンクシールがハワイだけに生息しているということは、この種を保護し、絶滅しないよう注視する責任が私たちにはあります」とスプレイグ氏は述べた。

「絶滅危惧種に指定されている種を扱う際は、すべての個体が重要だということです」