日刊サンWEB

過去記事サイト

運転免許証に男女を特定しない 「X」ジェンダーが加わる

イゲ知事は6月26日、下院法案1165 HD2 SD2号に署名し、第148号条例として施行されることになった。同法では、免許証上の性別記載に、男性の「M」と女性の「F」に加え3番目の性別を特定しない「X」が加わり、ハワイの居住者は、2020年7月以降、自主的に男女区別のない「X」を選ぶことができる。

 

ハワイ州は、米国で運転免許証に男女区別を選ばなくてもよい18番目の州になった。 この法案は、イゲ知事が6月26日に署名したLGBTコミュニティに関する3つの法案の一つである。

 

第149号条例となった下院法案711 号は、即日施行されたが、殺人事件の法廷で「ゲイ・パニック・ディフェンス」(被告の問題ある行為が、ホモセクシャル・パニック(被害者が性同一性障害であると認知したことにより起こされた一時的な心神喪失状態)によるものと主張すること)を禁止するものである。

 

第157号条例となった下院法案664号は、7月1日から施行されるが、既に法律で禁じられている未成年者の性的指向を変える試みに、性転換または性的指向や性同一性を変えるための治療が含まれることを明記するものである。 ハワイは一人当たりのLGBT人口が最も多い州で、その人口の約4.6%がLGBTである。

 

州の公選弁護人事務所は、下院法案711号は他人を排除してしまう「優先階級」を生み出すと、同法案に反対した。 下院法案664号に反対した人々は、この法案はセラピストの言論の自由の権利を侵害し、セラピストの治療を望んでいる人々からその治療の機会を奪うものである、と主張した。

 

州衛生局は2017年、LGBTに対する偏見は、身体的および性的暴力の増加、鬱病・肥満・喘息などの慢性疾患の発病、などの社会的問題を引き起こす、という報告書を発表している。

 

 

(日刊サン 2019.07.13)