絶滅危惧種の保護活動を行っている調査船ヒイアラカイが、北西ハワイ諸島での任務中に栄養失調のモンクシールの赤ちゃん2頭を救出した。
国立海洋大気圏局の調査に携わっているこの船と乗組員は、21日間の航海を終えて6月8日月曜日にパールハーバーの埠頭に入った。
航海の一環として、モンクシールの生息数を維持・チェックするために、14人の調査員が5つの隔絶した島々に派遣された。14人は、これから4か月間各島に滞在する予定である。
14人の調査員は、生息数のカウントや、海洋ゴミにからまったモンクシールの救助、若いモンクシールをサメの少ないエリアに移送することなどを担当すると、国立海洋大気圏局・ハワイアン・モンクシール・リサーチ・プログラムの職員、ステイシー・ロビンソン氏は述べた。調査員らは、フレンチ・フリゲート環礁やレイサン島、リシアンスキ島、クレ環礁、パール・アンド・ハーミーズ環礁で、任務を遂行するため、キャンプの必需品と共に派遣された。
キャンプ任務は、1980年代初頭から行われており、モンクシールの生息数の解明に大きく貢献しているとロビンソン氏。
科学者によると、世界で最も希少な海洋動物のひとつであるハワイアン・モンクシールの生息数は、10年前の1600頭から1100頭まで減少しているという。
調査船ヒイアラカイは、コナの海洋哺乳類センターにあるケ・カイ・オラ・ホスピタルに、2頭の赤ちゃんモンクシールを送り届けた。2頭は健康回復のためこの病院で手当を受ける予定である。早期離乳したオスとメスのこの2頭は、パール・アンド・ハーミーズ環礁で発見された。人間の介入がなければ、この2頭は死んでいた可能性があると科学者は述べている。
ハワイアン・モンクシールの回復促進のために設計されたプールなどの設備を持つ海洋哺乳類センターは昨年オープンした。
国立海洋大気圏局と同センターは、「よいパートナーシップ」を楽しんでいるとロビンソン氏。
連邦政府職員も「サステイナブル・コーストラインズ・ハワイ」と提携し、陸上の海洋ゴミとプラスティックを5つの島と環礁から撤去するパイロットプログラムに取り組んでいる。
調査船ヒイアラカイが、ハワイに戻る前に立ち寄ったフォード・アイランドでも、乗組員は約5,000パウンドの海洋ゴミを降ろした。
「ゴミの種類と出所を確認し、ゴミの蓄積量を推定することからリサーチプロジェクトはスタートします。」と国立海洋大気圏局スポークスウーマン、ウェンディ・グー氏と述べている。
またサステイナブル・コーストラインズ・ハワイのエグゼクティブディレクター、カヒ・パカロ氏は、今回の北西ハワイ諸島への旅は、毒性のない副産物を開発する重要性についての理解を深めてくれたと話している。
今回初めて調査旅行に同行したパカロ氏は、ミッドウェイでたくさんの若いアルバトロスがプラスティックを飲み込むところを目撃した。死んだひな鳥の胸郭には、プラスティックが詰まっていたという。ゴミの山の上に動物が巣を作っている場所もいくつかあった。
ゴミは、太平洋のハワイとカリフォルニアの間にあるゴミが旋回するエリアを経由して、北西ハワイ諸島に流れ着いているとパカロ氏は話している。