ホノルル国際空港で28日日曜日、国際便到着口で旅行者達を出迎えたのは、「憎しみが無ければ恐れも抱かない。避難民を歓迎します」と唱える100人以上のデモ参加者だった。 デモはドナルド・トランプ大統領が発令した、特定の国の避難民のアメリカ入国を禁止する大統領令に反発して起きた。大統領令では、イラク、シリア、イラン、スーダン、リビア、ソマリア、イェメンの国民に対し90日間ビザの発給を停止し、難民の受け入れを120日間停止。
シリア国民に関しては内戦を逃れた避難民であろうと、無期限で入国を禁止する内容だ。 デモを率いたのはワールド・キャント・ウェイトというグループで、男女数十人が「入国禁止令反対」や「来たれ避難民、トランプ出ていけ」等の言葉を掲げていた。トランプ大統領統治に反対して結成された団体、ハワイJ20もデモ開催を支援した。
アメリカ移民弁護士協会ハワイ支部で前支部長を務めたクレア・ハヌス氏は、税関・国境警備局に問い合わせた結果ハワイでは留置や送還を受けたケースは一人も報告されていないという。ハヌス氏は「移民の権利や人権、憲法に不安や心配を抱えている人達を支援します。大統領令が違法で、憲法に反しているのは明らかです」と述べた。 ハワイ州司法長官のダグ・チン氏はデモと同日の28日日曜日に、15州とコロンビア特別区と共に、7つのイスラム教国家からの入国禁止と避難民受け入れ停止に対して非難する姿勢を取る事を発表した。
デビット・イゲ知事は27日土曜日の会見で「ハワイには様々なバックグラウンドを持つ移民が努力し夢を叶えてきた誇り高い歴史があります。移民を恐れた結果が生んだホノウリウリの強制収容所が苦々しい記憶として残っています。私達の真価を発揮し、悲惨な歴史が繰り返されるような事態には立ち向かわなければなりません」と述べた。
ハワイパシフィック大学を卒業したオラさん31歳は、イラクからフルブライト奨学生として2012年にハワイに移ってきた。修士号を得た後の就職先を探しているが、国外追放の可能性を敬遠して雇用されないのではないかと恐れている。
彼女は「皆さんの思いやりを感じます。フェイスブック上で何を言っても変化は起きません。皆さんが空港に集まった方々の様に集う事を願っています」と述べ、デモ参加者の支援に勇気づけられたと語った。 通り過ぎる車がデモに対してクラクションを鳴らす事もあったが、デモ参加者はより声高に訴え、それらを圧倒していた。