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波が来た! ビッグウェーブ競技で初の女性優勝者

Bynikkansan

11月 19, 2016

映画ジョーズでも有名になったマウイ島のサーフスポットに暴力的とも言える大波が突入する中、11日金曜日ワールドサーフリーグビッグウェーブ競技大会で女性達が歴史的快挙を成し遂げた。 競技者達は30フィート以上に立ち昇るターコイズ色の波の山へパドリングして向かって行ったが、第1試技開始から風向きが変化し、予想しない波に叩き潰されてしまう事もあった。 女性競技者達はビッグウェーブサーフィン競技に参加するため何年も努力し続けてきたが、カリフォルニアのマーヴェリックのようないくつかのコンテストは女性には危険すぎると開催組織で物議を呼んでいた。 州の規定関係者が、女性が参加しなければ開催許可を与えない可能性を発表してから、今シーズン初の女性の競技者を含んだ大会となった。そして地球上のあらゆる場所で開催されるプロの大会ワールドサーフリーグにおいて、女性大会を開催するのに十分な参加者が集まるかどうかが問題になってきていた。 プロのビッグウェーブサーフ競技の女性の参加を推進してきた競技者のビアンカ・ヴァレンティ氏は、この日がスポーツ界における女性の大きな一歩となったと話す。 「私達ができるのはつい先日の選挙について語る事ぐらいです」と、ヴァレンティ氏は大統領選挙でヒラリー・クリントン氏がドナルド・トランプ氏に敗北した事に触れて、競技前に電話インタビューで語っていた。 「ヒラリー氏の敗北宣言を視聴し、女性にとってガラスの天井を突き破るために今まで以上に真剣に立ち上がることがどれほど重要か語っていたのを聞きました。そしてその言葉は重々しく私の胸に響きました」とヴァレンティ氏は加えた。 12名の女性と、24名の男性がそれぞれ別の大会に分かれてハワイの波を競い合った。大会には、波がクラッシュし下で身動きが取れなくなった場合に備えて4分間呼吸を止めていられるよう訓練しておく体制がとられた。 11日金曜日の第一試技で二人の女性がひざを負傷し病院へ搬送された。そして第2試技の際には波の上で転倒したヴァレンティ氏のボードが真っ二つに割れた。 ハワイ出身のサーファー、ペイジ・アームズ氏が数度の転倒にくじかれながらも優勝した。 「いまだに夢のような心地です。やっぱり信じられません。二人の女の子達と表彰台に立てるなんて、なんて祝福なのでしょう。本当に特別な事です」と、アルム氏は優勝後に語った。 ワールドサーフリーグがビッグウェーブ大会を開催し始めたのはつい最近の事だと広報担当のデイヴ・プロダン氏は話す。コンディションが良い時だけの限られた時間でしか開催できないため、男性と女性の多人数の集団に大会を調節するのが難しいと明かす。 「女性達は何年も何年もビッグウェーブのコミュニティに参加し続けていました。しかし、近年になってやっと女性大会を開催するための機会が熟し参加に踏み切るようになりました」とプロダン氏は話す。 カリフォルニアでは、有名なビッグウェーブ大会であるタイタンズオブマーヴェリックが今シーズン初めて女性の参加を認めた。この大会はまだ開催されていない。 「今回の大会が未来の世代が歩む道の礎となり、彼らの機会を創造しました」と、ヴァレンティ氏は語る。「常に自分たちが声を上げていく事、自分たちが要求するものを主張していく事が重要なのです」