この50年、ハワイ島では強い暴風雨が数多く発生しているが、オアフ島リーワードとマウイ島中央部では減少していることが、最新の調査によって発表された。この現象を気候変動と結びつけているのは、ハワイ大学の研究者2名である。
例えば、1960年までにハワイ島に12インチ以上の降雨量をもたらした暴風雨が発生したのは、20年に1度だった。しかし、2009年までに発生した同程度の暴風雨は、3年から5年に1度に増加していることが調査で判明した。「新しい」ストームは、16.5インチ以上の雨を降らせている。
「インターナショナル・ジャーナル・オブ・クライマトロジー
誌に掲載された論文で、ハワイ大学マノア校の大学院生(当時)イン・チェン氏と、同校の気象科学教授、パオ・シン・チュウ博士は、オアフ島とマウイ島、ハワイ島で発生した極端な降雨と頻度を分析している。
「過去、激しい暴風雨が発生する頻度はかなりコンスタントだったと言えます」と2月4日水曜日にハワイ大学のウェブサイト上で発表されたプレスリリースで語っているチュウ博士は、ハワイ州気象局の局長でもある。
しかし、気候が変動していることをこの調査は指摘しており、洪水コントロールの基準や、その他雨に関連したガイドラインを再検討する必要があると述べている。エコシステムやプロパティ、建物、危険対策などに、無数の影響があるとチュウ博士は述べている。
「この惑星は変化しています。気候は今までと変わらず安定していると考えるべきではありません。考え方を大きく変える必要があるのです」
なぜ、どのようにして暴風雨の頻度が変わったのか、この調査は手がかりを与えている。大きな暴風雨は、ラ・ニーニャの年により頻繁に起こっているが、海面の温度が通常より高いエル・ニーニョの年は、反対の減少が起こっていることが調査で判明したからである。
海面の温度が通常よりも低くなるラ・ニーニャは、南アメリカ大陸の西海岸沖、太平洋中央部・東部で発生する。エル・ニーニョも同じ場所で発生する。
この50年、ハワイ諸島の最も東の島でより頻繁に激しい暴風雨が発生しているが、反対の現象がオアフ島とマウイ島の西側で起こっている。
降雨量のパターンが気候変動にどのように連動しているかによって、研究結果は東部と西部の地域差を示しているとチュウ博士は述べた。しかし、降雨量を測定するゲージは、3島で24か所の気候観測所に限られていることを同博士は付け加えている。
オアフ島の気候観測所は、島のリーワードエリアにしかなく、マウイ島も島の中央部にしかない。
ストームが発生する頻度の概算は、オアフ島とマウイ島については算出されていないが、はっきりした傾向が見て取れるとチュウ博士。例えば、オアフ島リーワードの観測所で測定されたストームの降雨量は、1960年の約9インチから、2009年は約5インチに減少している。
今後の調査では、ハワイ全土での降雨パターンの変化についてもっと詳細に調査するため、気候観測所のデータを追加して分析したいとチュウ博士は述べている。