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有毒物質を含むエビが流通 警戒を呼び掛け

Bynikkansan

5月 19, 2018

*手長エビの参考写真であり、本事件とは直接関係のない画像です。

 

昨年秋、タヒチアン・プロウンと呼ばれるテナガエビを収獲するため、何者かがハワイ島の渓流に毒物を混入させる事件が発生した。

 

この毒物は他の水棲生物の命も奪い、毒物を摂取したエビを人が食べた場合にも健康に被害を及ぼすと見られている。卒業式シーズンが到来し家族で食事をする機会が増えるこの時期、土地自然資源局の保護・資源取締り課(DOCARE)はエビを消費する際には漁獲水域を確認するよう警戒を呼び掛けた。事件は、ハワイ熱帯植物園内のオノメア・ストリームが流れ込む養魚池に、混入されたとみられる殺虫剤の空容器によって発覚。DOCAREのエドウィン・シシド氏は報道会見で「殺虫剤によりテナガエビだけでなく全ての生物が死亡した様です。事件からおよそ8カ月が経過し、やっと生物が渓流に少しずつ戻り始めました」と述べた。

 

殺虫剤はエビを即座に死亡させ漁獲を容易にするために用いられたと見られており、DOCARE職員はテナガエビが詰まった50ポンドの袋を運ぶ男性の集団に遭遇している。ハワイの水路からテナガエビを駆除することは違法ではない。しかし川や渓流に有毒物質を混入させる行為は州法と連邦法に抵触する。「オノメア・ストリームで獲れたエビを食べた人が体調を崩したという報告が複数入っています。エビが路上販売されている光景もよく目にしますが、購入する際はどこで獲れたものかを確認することが重要です」とシシド氏。毒物混入疑惑が浮上して以来、DOCARE職員は連邦の農務省とチームを組み、マウナケア東の複数の渓流を調査。ハワイ熱帯植物園でも事件発覚後は深夜の警備体制を強化している。渓流の中やその周囲で、違法と疑われる行為を目撃した人はDOCAREのホットライン643-DLNRまで電話を。DLNRの無料アプリ「DLNRTip」からも通報できる。

 

(日刊サン 2018.05.18)