北海道日本語学院が主催し、ハワイ日本文化センターで行われた日本語体験レッスンが8月27日、盛況のうちに終了した。
参加者は総勢60人ほど。北海道日本語学院は札幌市中央区にある日本語学校。札幌本校では15ヵ国、約100人の国際色豊かな生徒が学んでいるという。日本語教師4名とともにハワイに来た本田真里校長は、
「日系人や日本人観光客が多いハワイでは、日本語ニーズが非常に高いです。子どもから大学生、社会人、そしてシニアの方まで、日本語を学びたいと思っているあらゆる世代、あらゆる出身国の方々のための日本語学校を、ハワイに設立することをめざしています」
今回の無料レッスンの問い合わせには、「60代の女性ですが、シニアでも参加できますか?」、「仕事で役立つ日本語を教えてもらえますか?」など、大人たちからの日本語学習熱が伝わってきたという。
「ある女性で、日本からのホームステイの旅行者を何十年も受け入れてきたけれど、日本語が話せないので十分なコミュニケーションができなかった。もっと日本のことや、受け入れる人たちのことを知りたいから日本語を学びたいと聞きました。そんなはっきりとした動機がある方は、上達も早いですよとお答えしてエールを送りました」
別の沖縄二世の男性は、あいさつや簡単な日本語は使えるが、仕事の実践で役立つ日本語をもっと学びたい。そう感じている日系の社会人は多いから、ぜひ開校してほしいと話したという。
「イベント告知をした、日刊サンの切り抜きを持って訪ねてきてくれた方もおられましたよ」
今回はクラスを2つに分けて、店員としてビジネスフレーズを学ぶクラスと、買い物客として日本語で尋ねられるようになるクラスでレッスンした。 「アメリカではすぐに謝る習慣はありませんが、日本人は“すみません”と、謙遜の意味で謝ることがあるなど、文化と言語が密接な関係にあるということも、興味深く聞いていただきました」
実践では、絵カードで焼きそばなどのメニューを日本語で学んだり、紙の日本紙幣でお金の単位や買い物を学んだり。
「最後は2つのクラスが一緒になって、店員と買い物客になり、習ったばかりの日本語でやりとりをしてみて。皆さん楽しそうで、とても盛り上がりました」
参加者からも継続して学びたいと、声が寄せられた。
「沖縄や日系二世、三世の方達が日本語を学ぶというのは、外国語でありながら母国語でもあります。さまざまな感慨がおありになるだろうと思います。私たち日本語教師も、ただ外国人に日本語を教えるのではないことを、十分にわきまえなければならないことを学びました」
と、本田校長。
「今回の体験レッスンの反応やアンケートを集計し、開校の準備を加速させたいです。年内か年明け頃にまた日本語教室を開けるように、開催が決まりましたらまた日刊サンでお知らせします」
写真左が本田真里校長
(取材・文 奥山夏実)