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日本人移民の名がつけられた バニヤン・ツリーを伐採

Bynikkansan

8月 18, 2018

モイリイリ・トライアングル・パークで7日、市の契約業者が樹齢100歳程のチャイニーズ・バニヤン・ツリーを伐採。1つの歴史が終焉を迎えた。 この木は木材を食して穴を空ける害虫に侵されており、公共の安全を確保するために伐採が決定された。今年に入ってから大きな枝が3本落下。他の枝も落下の危険性が高い状態だった。 この木は、このエリアに初めて定住した日本人移民のカシワバラ・キハチさんとその妻シカさんに捧げるため、市の公園委員会とモイリイリ・コミュニティ・センターによって「カシワバラ・バニヤン・ツリー」と名付けられていた。センターの出版物によれば、カシワバラ夫妻の自宅は現在ロングス・ドラッグスが建っている場所だったという。 当初ハワイ島コハラのプランテーションで働いていたキハチさんは、現在のロングス・ドラッグスの場所でハワイ初の相撲道場を開設。キハチさんは日本でセンダガワという四股名の力士だった。同じ場所で数軒のコテージも建てカシワバラ・キャンプと呼ばれる複合施設も運営。キハチさんの息子も相撲を学び、ハンス・ハンクロ・カシワバラさんは日系2世として初めてホノルル警察の警部に就任した。キハチさんはハワイ初の日本語教室も自宅で開設し、日本語学校の先駆けとなった。 ひ孫でホノルル在住のベン・カシワバラさんは「あの木が伐られるのは悲しいです。大きく育った立派な木でした」と話す。彼を含む家族は、近くを訪れた時には立ち寄り、車で通りすぎる時も常に鳥居とツリーを眺めていたという。彼は市が安全を脅かす木を伐採するのは理解できると述べ、新しい木が同じ場所に成長することを望むと語った。キハチさんのもう1人のひ孫ロリ・ヒラマツさんは、伐採された木はキハチさんの地域貢献やモイリイリのコミュニティへの恩返しを思い起こさせる象徴の木だったと述べた。 市は伐採後も記念碑を維持し、代わりにモンキーポッドの木を植える予定。道路の閉鎖予定はないが、伐採作業の間はエリアの歩行を避けるよう勧告された。

 

(日刊サン 2018.08.18)