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旅行中にカハラ・モールでひき逃げ事故にあった若い夫婦が、事故からおよそ1カ月経ち日本に帰国した事がわかった。しかし現在も負った怪我や経済的な打撃に苦しんでいるという。一方で、ひき逃げ事故の加害者は起訴されていない。
被害にあったのはスコットとトモコのウィルソン夫妻。向かってくる加害者の車を目にする事もできない状態で事故にあった。「大きな音がして、タイヤがきしんだと思ったら私達は車に衝突されていました」と、スコット・ウィルソンさん。
目撃者によると、夫婦がカハラ・モールにあるホールフーズの駐車場で2人の子供のうち1人をチャイルドシートに載せている時、女性の運転する車が夫婦のレンタカーの横を猛スピードで向かって来たという。
「次に覚えているのは、車の下敷きになっていた妻の姿です」と、衝突により膝が粉砕骨折したスコットさんが話す。トモコさんは「私は痛みに叫んでいました。何かが体の内側にあるような感覚があり、自分の体を見ると出血していました」と述べた。
警察によって身元が確認された車の運転手はチアーン・バイター容疑者。事故を目撃した人達が容疑者の車を追いかけたが、容疑者は駐車場から走り去った。ウィルソン夫妻は直ぐに病院へ運ばれ、トモコさんは輸血と、損傷を受けた骨盤を接合させる緊急手術を受けた。不運にもスコットさんは、医師が膝に手術を施さない選択をしたため症状が悪化。容疑者の車が保険に加入していなかった事が判明し、彼らの苦境はさらに厳しくなった。
病院から初めて届いた請求書の額は17万ドルを超えていた。スコットさんは「とても自分が対処出来る額だとは思えません」と述べ、旅行保険とレンタカー保険でもまかないきれないと話す。
彼は、家族を助けてくれた全ての人に感謝しており、特に緊急治療室にいる間、子供の面倒をみてもらって助かったと述べた。スコットさんは容疑者に対し、事故後になぜ走り去ったのか理解不能だという。「容疑者は何が起きたのか良く分かっていたはずです。容態を確認しないし、現場に戻る事もせず、出頭すらしないなんて異常ですよ」と、彼は話した。入院中スコットさんが負った脚部の複数の骨折の回復を待つ間、トモコさんは再び歩行が開始できるようになった。