州保健局、及び建築家やデザイナーが16日、カネオヘに新設するハワイ州病院の構想を発表した。
裁判所から治療を言い渡された精神疾患を抱えた患者の対応に適した、職員にとってもより安全な病院を目指す。デービッド・イゲ知事は保健局で開催された報道会見で、新病院の目標を「安全が確保された環境で質の高いケアの提供」だと語った。建築家やデザイナーが公表した病院施設は4階建て17万スクエア・フィートで144床を提供する。予算は1億4000万ドル。新施設は2021年1月完成予定。イゲ知事は成人精神医療への大きな1歩となると加えた。
新施設は2016年に解体されたゴッダード・ビルディング跡地に建設され、現存の複合病院施設の山側に位置する。職員が治療に専念している間でも、1人がフロア全体を監視できるようなレイアウトを実装し、コントロール・ブースにいる職員が全てのドアを管理する。ブースを担当する職員は時間交代制をとり、疲労状態での就業を回避する。職員や面会者の使用する施設の出入り口は1つのみとなり、患者は専用通路から搬送される。防犯強化のため内側から登ることができない16フィートのフェンスが建物裏側を囲むように設置される予定。2~3階のフロアには山側を臨む全48床を構え、1階には治療や学習プログラムのための部屋を設ける。患者のストレスを軽減するため、中庭に面した食堂や事務、バスケットボールコートも設置予定。
新病院の発表は、昨年11月の州病院から囚人が脱走した事件に関する州司法長官オフィスの報告よりも先んじて行われた。殺人犯であるランドール・サイトウは6000ドルの現金を持って、州病院からマウイへ、さらにカリフォルニアへ逃亡。サイトウは身柄を再拘束され、裁判に出廷可能な精神状態であると診断された。ハワイ州立病院の管理を担うビル・メイ氏は「11月に起きた事件は今後この施設では2度と起きません。脱走が発生して以来、対策に努めています」と断言した。メイ氏によると患者の携帯電話の使用や所有物品、面会手順、患者の権利を含む17の方針や手順を見直しているという。脱走事件後には7人の病院職員が停職処分を受けている。メイ氏は病院職員に患者には友情ではなく治療を提供し、適切な距離を保つよう再教育していると述べた。
(日刊サン 2018.05.26)