ハワイ大学経済研究機構(UHERO)が9月28日発表した報告書は、今年の州の建設支出は、2017年の84億ドルを7%上回り、この10年間で最高の90億ドルに達し、地元経済を活性化すると予想している。 UHEROのボナム専務理事は、建設期間が2年越しになり、建設支出が2年に渡り拡散しているため建設支出は減少せず、今後3年間、住宅建設、ホテルの改築、公共インフラ整備などへの支出は毎年90億ドルのレベルに留まると予測している。過去の最高支出額は2007年の106億ドルだった。本年予測の90億ドルは、2008年の102億ドル以来の最高額となる。 観光業は、建設業を比較的高い水準に押しとどめている要因の一つで、記録的な訪問者数の増加で既存・新規のプロジェクトへの投資が続いている。 ワイキキのハレ・コア・ホテルが1億ドル以上の改装工事を行い、シェラトン・ワイキキは1億200万ドルの改装工事の認可を6月に申請した。
9月26日、ヒルトン・グランド・バケーションズは、32階建てのワイキキ・タイムシェア・タワーの建設を2019年に開始する、と発表した。 同報告書は、「リゾート関連の建設は盛んである。観光産業の好調さに支えられ、今後数年は同じレベルが継続するであろう」と予想している。 建設業での他の主要分野は住宅であるが、報告書は「緩慢だが安定している」とコメントしている。 ボナム氏によると、オアフ島では住宅建設が増加しているが、他の島では2000年代半ばのブームの反動が残っている。 カカアコとアラモアナのコンドミニアム・タワーの建設は、建設費支出増大に大きく貢献している。リーワード・オアフでは、D・R・ホートン社がホオピリ・マスター・プラン・コミュニティの開発を行っており、キャッスル&クック・ハワイ社は、セントラル・オアフのコア・リッジで来年住宅建設を開始する予定である。 政府関連のプロジェクトでは、今年18億ドル相当の支出が見込まれている。昨年の12億ドルより増え、2004年の24億ドル以来最大となる。大規模プロジェクトには、空港の改修、市の高架鉄道建設、カネオヘの3億7500万ドルの下水道工事などがある。 UHEROによると、建設コストは今年上半期に0.4%減少したが、新しい輸入関税導入のため相殺され、今年通年で0.8%、来年は約2%の増加が予想される。ボナム氏は、「これはここ数年の年率4%上昇に比べると低く、コントロール可能な範囲である」と述べた。 建設支出増加の予想にもかかわらず、業界の雇用者数は昨年の36,300人から3%減の35,100人になると予想されている。ピークの2016年の3万8000人から2年連続の減少である。
(日刊サン 2018.10.13)