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市長「モンスター・ハウス」法案を承認

Bynikkansan

5月 11, 2019

コールドウェル市長は5月1日、「モンスター・ハウス」と呼ばれる大規模住宅を規制する包括的法案に署名しないまま、同法案の成立を容認した。

市長は、モンスター・ハウスや他の大規模な一戸建て住宅の規制には賛成しているが、この79号(2018)法案は市議会で多くの付帯条件が付加され、複雑化で実行が困難で、自由裁量の余地が多すぎる、と指摘した。

市議会は4月17日、9対0の満場一致で同法案を可決したため、市長の拒否権は実際には発動不可能になった。

同法案の最新版を作成した市議会ゾーニング委員会のキンバリー・パイン委員長は、200人以上の利害関係者から意見を聴取し、建設業界を過度に規制することなく、違法な建造物から大衆を保護するように工夫した、と語った。市が、規制と規制執行を行わなかったからモンスター・ハウスが増えたのだと、市長を非難した。

市議会は、急速に拡大するモンスター・ハウス規制を数年間にわたり審議してきた。モンスター・ハウスに反対する人々は、このような巨大建造物は住宅街のインフラに負担をかけ、違法な賃貸、バケレン等に使用されることが多い、と指摘する。しかし、この規制法案は、新規の建築許可手続きがさらに遅れることにつながりかねない、と懸念する声もある。コールドウェル氏とDPPのキャシー・ソクガワ局長代行は、新条例の執行状況を見ながら、認可証発行に遅れがでるようなら防止案を市議会に提案する、と語った。

同条例の主要なポイントは、容積率(建物の延床面積の土地面積に対する割合)を70%以下に規制することである。容積率が60%以上の家は、所有者が居住することと、横側と裏側に8フィートのセットバックを設けること、が義務付けられている。

また、建蔽率(建築面積(建坪)の土地面積に対する割合)は50%以下に規制されている。 ソクガワ氏は、床面積が2500平方フィートを超える住宅では最低2つの敷地内駐車場、さらに750平方フィート増えるごとに1つの駐車場を追加することを義務付ける規程に賛成であると語った。

しかし市長と同局長代行は、敷地の最大75%をコンクリートやアスファルトなどの不浸透性材で覆うことを認める規定に懸念を表明した。また、バス・ルームとウェット・バー(水道とシンクが付いているバー)の数を、住居ごとではなく区画ごとに規制する条項に反対している。

ハワイ建築産業協会は、今回の改定版ではなく当初の版を好むと述べた。 地域団体のハワイ・グウド・ネイバーは、「同法案は、計画の詳細な審査が義務付けられており、しっかりとした妥協案である。DPPは、人員、機器、ソフトウェア等を増強し、漏れのないモンスター・ハウス規制を実行してほしい」とコメントした。

 

(日刊サン 2019.05.11)