ホノルル市議会の公共事業・社会基盤・サステイナビリティー委員会(PWIS)は12月4日、市長が約2カ月前に署名し法案化した歩道妨害・歩道宿泊禁止条例を条件付きで仮承認した。 条件とは、サービスや避難所を必要とするホームレスを収容した地区・地域以外には搬送しないとの追加規定を付加したもので、市長は、この追加規定は同条例を施行不能にし、違憲である可能性がある、と反論した。 同委員会では、市地域サービス局のオークランド局長は両条例の速やかな承認を求め、ホノルル警察本部(HPD)のランバート本部長は、市の公園に安全で衛生的な移動仮設住宅を設置するパイロット・プロジェクトを展開しており、また、ホームレスに最適な支援を提供するためヘルプ・ホノルルというチームを立ち上げ、福祉ワーカーと提携する予定であると述べていた。 本法案は、12月5日の市議会本会議で審議される。 歩道宿泊禁止法案では、市がホームレスの避難所スペースを確保することが義務付けされ、条例違反の召喚状を発行する前にホームレスを施設まで搬送しなければならない。PWISのフクナガ委員長は、この追加規定は、ホームレスが多い地域の負担を増大させると懸念を表明した。
一方、パイン議員は、市は多くのホームレスを同議員の選挙区であるウェスト・オアフにあるワイアナエ沿岸の避難所に追いやり、同地区の負担を増大させている。避難所とサービスはホームレスのいる地区内で最も効率的に提供されるべきである、と繰り返し抗議している。 コールドウェル市長は、ホームレスの希望する移動先への移動を禁じることは違憲かもしれないし、薬物中毒に罹ったホームレスをその危険の少ない地域に移動させる必要がある、とコメントした。 市長と市議会は何カ月もの間ホームレス対策を討議してきた。 市はオアフ島での座り込み・寝転がりを禁止する条例について、憲法違反の恐れがあるとしてそれまで手を付けていなかったが、6月下旬、コールドウェル市長はその姿勢を転換し2つの法案を提案した。51号法案では、午前6時から午後10時の間に市の歩道を塞いだりした(歩道妨害)場合最高100ドル罰金を課される。52号法案では、公共の歩道または公共エリアで一日の内のいかなる時間帯であっても宿泊することは違法(歩道宿泊禁止)であると見なされる。 市議会は10月3日、両法案を可決した。しかし、市当局が提出するホームレス施策報告書を市議会が承認した後に両法案は施行されるとの条件を付けた。 その後、市当局は、2つの施策を提出したが、市議会はこれらを否決した。市議会は、個々の地区での詳細行動計画が欠けていると指摘し、市長は、市議会が法案の施行を遅らせているだけだと非難していた。
(日刊サン 2018.12.18)