ホノルル市議会は10月9日、市に対し、主要建設プロジェクトでの組合労働者の起用を求める37号法案を7対2で可決した。これまで建設請負業者グループは強い懸念を示していた。ブランドン・エレファンテとハイジ・ツネヨシの両議員は反対票を投じる一方、キャロル・フクナガとアン・コバヤシの両議員は「留保付き」賛成票を投じた。
この法案が条例化されるかどうかは、コールドウェル市長の判断に委ねられている。 法案は、市に組合とコミュニティ労働力協定(公共労働契約の一形態)を交渉することを求めるもの。
対象となるのは総工費200万ドルの警察、消防、道路、等の大規模公共事業プロジェクトである。 この法案成立に対し建設業界は二分していて、組合側はその成立のためロビー活動を行い、請負業者側はその成立阻止に動いていた。
ジョーイ・マナハン議員が提案した当初の法案では、25万ドル以上のプロジェクトを対象としていたが、反対の声を抑えるために対象が200万ドル以上に引き上げられた。条例化されれば、2020年5月30日から施行される。
マナハン議員は「同法案はハワイの建設労働者に公共事業参加の優先権を与え、労働組合のストライキやその他の労働行動を禁止しているコミュニティ労働力協定は、プロジェクト遅延の可能性を排除できる。この対象は、重要で完成期限厳守が必要な市の公共事業の20%未満のプロジェクトが対象となり、ブレイズデル・センターやホノルル動物園の工事は対象外となる」と述べた。
一方ツネヨシ議員は、法案を施工するにはまだ問題が多く、議論を尽くすために結論を先に延ばすべきだと指摘した。法案は州最大の建設労働組合のハワイ建設同盟とハワイ建物取引協議会が発案したが、ハワイ・ゼネラルコントラクター協会とアメリカ建築業者・請負業者協会を含む請負業者団体は、建設コスト増につながると、強く反対している。
一方、コールドウェル市長の首席補佐官のゲーリー・クロカワ氏は、「市当局は、コミュニティ労働力協定を支持・尊重するが、「市長が組合と労働力協定を交渉するものとする」という法案の中の表現を懸念している。また、法案の文言には、州調達法と矛盾する可能性のある箇所もあり、市法律顧問が内容を検討している」とコメントした。
(日刊サン 2019.10.26)