ハワイ州庁舎@PIXTA
州当局が22日、ホノルル都市部カリヒの商業・工業跡地を複合型住宅に再開発する構想を発表した。
エリアを住民が「住み、働き、遊ぶ」場所へ転換させようというアイディアの実現には、老朽化が進んだカリヒのオアフ・コミュニティ矯正センター(OCCC)の移転がカギとなる。この刑務所は市の鉄道が敷設予定のカメハメハ・ハイウェイ沿い16エイカーを占めている。
2016年の施政方針演説で再開発計画を掲げたデービッド・イゲ知事は、昨年OCCC移転に関連した様々な可能性を模索するため、地域のリーダー達で結成されたワーキング・グループを招集した。
「コミュニティはエリアに雇用と低価格の住宅が必要だと声高に述べています」と、イゲ知事。知事は22日に公開した計画を「21センチュリー・カリヒ・トランスフォーメーション・イニシアティブ」と命名。実現までに様々なステップが必要だとし、5~10年かかると述べた。
この計画は費用5万ドルでPBRハワイ&アソシエイツ社が州の企画室に提出しており、州が所有するミドル・ストリートとイヴィレイ、ノース・キングストリートの海側の土地に焦点をあてた内容。170ページに及ぶ計画書には「地域のニーズや、懸念、OCCC周辺への要望を理解し、コミュニティが描くビジョンを明確にする目的でこのプランは作成されました」と記されている。
このエリアの刑務所用地の再開発は「州が管理する土地の未来計画を左右する」とも。しかし州は、あふれるほど囚人を抱えたこの刑務所の移転には最終決断を下せていない。
州はこれまでに代替施設の選定やカリヒを含む4つの候補地の環境への影響を調査するため100万ドル以上を費やしている。
州の下院議員ロミー・カチョーラ氏は、豪華なコンドミニアムの横に低価格住宅が並ぶカカアコを再開発の成功例として挙げた。この成功に続くには、真っ先にOCCCの移転が必要となると話す。
「カリヒに刑務所がある限り開発業者は誰もホテルや住宅を建てようとは思いません。刑務所さえ外に移転できれば、カカアコのような開発がカリヒでも再現されるでしょう。高層ビルに低価格住宅、ビジネスの計画が舞い込みカリヒが開発の中心地となるのです」と、同氏は述べた。
発表された開発計画はwebサイト808ne.ws/21stcenturykalihiで確認できる。
(日刊サン 2017. 9. 2)