山形県米沢市から来布した「グレートライスファーマーズ」の阿部平左ヱ門さん、戸田雄市さん、渡部洋巳さん
ホノルル市アラモアナ地区のパークレーンで、12月19日、山形県米沢市の生産者グループ「グレートライスファーマーズ(GRF)」主催の「プレミアムつや姫」新米試食会が開催された。この日は、オアフ島内の飲食店関係者や「つや姫」を輸入しているサンヌードルの顧客ら数十人が招かれ、プライベートダイニングルームにビュッフェ形式で用意された「プレミアムつや姫」と新種の「ミルキークィーン」の新米、「つや姫」の玄米茶、山形県特産の漬物などを賞味した。 数々の米コンテストで賞を獲得した生産者グループGRFは「日本産の美味しい米『つや姫』を世界の人々に食べてもらいたい」という目標のもとで結成された。GRFが生産に力を入れている「プレミアムつや姫」は、ライセンス取得済みの農家が作る「つや姫」の中でもよりグレードの高い米となっている。栽培する土壌には完熟堆肥、肥料には有機質肥料とミネラル肥料を用い、農薬の使用も最低限に留められているため、田植えから収穫までの数ヶ月間、細かく注意を払いながら稲の傷みを防ぐことが必要とされる。
GRF代表の阿部平左ヱ門さんは、挨拶の中で、「プレミアムつや姫」について次のように述べた。 「私が米作りを始めた30年前は、生産高を上げるための農薬や化学肥料を多く使用していました。しかし、そうやって作ったお米はあまり美味しいものではなく、自分で食べても納得がいかないものでした。米を生産販売しながらお客様の声を聞くうちに、自分のためではなく、お客様が食べて美味しいと思うことを第一に米を作らなければならないと考えるようになりました。それから努力を重ね、本当に美味しいと思える米を作り始めたところ、日本全国のさまざまなお米コンテストの賞をいただくことになりました。賞が後から付いて来たという感じです。プレミアムつや姫の生産では、除草剤を1度使いますが、それ以外は農薬をほぼ使用していません。雑草も手で取らねばならないなど、栽培は簡単なものではありません。収穫高も少なく、通常は300坪の田で10俵(約600kg)収穫されるところが、プレミアムつや姫の場合は6、7俵まで落とされます。しっかりとした艶と粘りのあるプレミアムつや姫は、我々生産者のこうした努力に見合う特別な美味しさであると自負しております」 試食会に参加した60代の女性は 「私は普段からつや姫を食べているのですが、生産者の方々から栽培にまつわる努力や苦労を具体的に聞き、単に美味しいというだけではなく、その美味しさにはいろいろな意味が含まれているということを知りました。これが今日の私の『収穫』ですね」と語った。
(取材・文 佐藤友紀)