ダイアグノスティック・ラボラトリー・サービス社が発表した職場で実施したドラッグ検出テストの報告書によると、ハワイ内の就労者からコカインとアンフェタミンの検出率が増加。逆に州内に医療大麻取扱い薬局が増えたにも関わらず、大麻の検出は前年よりも減少した。
第4四半期のコカインの検出者数は前年度同期の0.3%から0.5%へ増加。アンフェタミン、通称『アイス』の検出も0.7%から1.1%に増加。モルヒネやコデインを含むオピエートは0.2%で前年と変わらなかった。ドラッグの検出をごまかす為に合成尿が提出された件数は0.9%から1.2%に増えた。ダイアグノスティック・ラボラトリーの有害薬物科学ディレクター、カール・リンデン氏は「薬物を乱用する人が求職に応募する可能性があることは明らかです。従業員へ採用前薬物検査を実施するのは大変有用でしょう」と述べた。
鎮痛剤のオピオイド等、他にも職場で検出される可能性がある薬物は数多く存在する。しかし鎮痛剤こそがオピオイドまん延問題の原因だとされているにも関わらず、ハワイ州は職場でのドラッグテストの対象にヒドロコドンとオキシコドンを含める事を認めていない。
「オピエートの検出の際にこれらの薬物の使用も検出されていますが、法律が変わるまで報告することは出来ません。実際はオピエートの陽性検出率は確実に増えているでしょう。ハワイも他州と同様に合成オピオイドの過剰処方による問題を抱えています」とカール氏。
一方、大麻の検出率は前年の2.6%から2.5%に減少した。カール氏は「医療大麻取扱い薬局の営業が開始され、大麻使用者の検出数が増えると予想していましたが、そうではありませんでした。第2四半期の2.8%から第3四半期は3.8%に急増し、第4四半期は2.5%で収束。1年全体では前年より4%減少となりました。医療大麻薬局がオープンした8月の検出数の急増は一過的だったようです」と語った。
(日刊サン 2018.1.13)