コールドウェル市長は、いくつかの大規模建設工事において組合加盟の労働者の雇用を義務付ける法案を、署名せずに条例化させた。
ホノルル市議会は10月9日、同37号法案を7対2で可決したが、その時、市長の首席補佐官のゲーリー・クロカワ氏は、同法案の文言は州の調達法と矛盾する可能性がある、と指摘していた。市長は、条例施行の5月30日までに条例案が改正されることを期待しているが、その実現は不明である。
同法案は、これは組合労働を必要とし、総工費200万ドル以上の新しい建物・インフラ等の「重要」建設契約に組合加盟の労働者を雇用。代わりにストライキを禁止するもので、コミュニティー労働力契約(CWA)と呼ばれている。同法案を提案したジョーイ・マナハン市会議員は、「ニール・ブレズデル・センターの再開発やホノルル動物園の改良工事などの建設期限が決められているプロジェクトは除外されることから、この法案の対象になる工事は、市の公共事の20%未満にとどまる」と語った。
市長は10月24日の市議会への書状の中で、「CWAが市の建設プロジェクトに適用されるかどうかの決定は、市の最高調達責任者が州の調達法の下で判断するものである。市議会は、市の工事にCWAを適用させる権限は持っていない」、と述べ、「組合同労者に優先権を与える37号法案の規定は、連邦資金を使うプロジェクトを危うくし、連邦資金導入の道を閉ざしかねない」、と付言した。また、市長は、「私はCWAなどのようなプロジェクト労働協約は有意義であると一貫して主張しており、大規模公共事業において、CWAが労働ストライキまたは工事遅延を回避し、建設プロジェクトの計画通りの完成につながると考えている。しかし、残念ながら、37号法案は強制的性格が強く、市立法府の権限を越え、市行政府が調達を行い、市の利益のために適切なCWAを交渉する権限を侵害している」と警告した。
市長は、37号法案の支持者は州議会に対しハワイ公共調達法の改正を求めるものと見ている。この法案は当初、州で最も政治的に影響力のある建設労働団体のハワイ建設同盟とハワイ・ビルディング建設業協議会によって提案されたが、ハワイ・ジェネラル・コントラクターズ協会と建設業者コントラクターズ協会を含む非組合請負業者および地元の一般請負業者団体は、同法案に反対している。
(日刊サン 2019.11.09)