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アメリカ国立気象局は、記録的な『キング・タイド』が発生し洪水が起きる可能性があると特別注意報を発表した。キング・タイドとは、1年間で最も高い潮高になると予想される大潮。メモリアル・デーの連休まで毎日キング・タイドの到来が予想された。通常規模より大きいキング・タイドと発達中のサウス・スウェルが合流し全ての島の南岸に大きな波の到来が予想され、特別注意報の発令に至った。アメリカ海洋大気庁によると、ホノルルでは26日午後5時7分に潮高が最低平均よりも2.6フィート高くなった。ハワイ島沿岸でも潮位の上昇が見られ、カワイハエとヒロの最低平均水位よりも2.9フィート高い3フィートにまで達した。市の公園とレクリエーション課の職員はキング・タイドの到来に備え、25日にアラモアナ・ビーチ・パークの海側に500袋の砂のうを並べ、クヒオ・ビーチ・パークにも200袋を用意した。ワイキキ・ビーチのホテルや店舗も浸水を避けるため様々な予防策を取った。
ヒルトン・ハワイアン・ビレッジでは、毎週金曜夜に打ち上げられる花火を中止。同ホテルは4月28日にも満潮時にステージエリアに海水が押し寄せたために花火を中止している。広報担当のシンシア・ランキン氏は、今回のキング・タイドに対応して満潮時に波が流れ込んでも溢れないようホテルのラグーンの水位を下げており、ホテル内の他のエリアへの浸水を予防していると話した。また宿泊客にもビーチでは注意を払うよう告知したという。アウトリガー・リーフ・ワイキキ・ビーチ・リゾートは5月第4週の初め頃、砂袋で作られた高さ4フィート長さ40フィートの堤防を越えて波が押し寄せ、1階のレストラン外壁まで到達した。同ホテル広報担当は、障害物やサンドバッグをホテル周囲に設置した事が功を奏し浸水を防いだとし、満潮時には監視を続けていくと話した。ビーチサイドのレストラン『デュークス・ワイキキ』のマネージャーは、26日のピークの波でも通常より数インチ高かった程度で店舗に影響は無かったと話した。一方、地下水による洪水を誘発しやすいマプナプナでは、アフア・ストリート沿いに大きな池のように水が溜まり、各店舗への影響は大きかった。
気象局はビーチ利用者にも注意を呼び掛けており、夜の早い時間帯など満潮時には特に、ビーチの一部が波にさらわれる場合があると話す。また通常よりも強い波打ち際の波や、引き潮に注意する必要があるという。6月と7月の最終週にもキング・タイドの発生が予想されている。
【週刊ニュースダイジェスト 5/24〜30】