通常インコは迷惑な鳥ではない。しかしカウアイ島では、まさに厄介者になりつつある。ワカケホンセイインコの大群が、カウアイ島の農園で作物を荒らす被害が起きている。住民や旅行者からは、「ヤシの木の上をねぐらとする、緑の羽根に覆われた尾長鳥が、駐車した車にフンを落とす」と、苦情が相次いでいる。さらに、彼らの騒がしく大音量の鳴き声は住宅街にこだまし、住民を悩ませている。
「認めがたい事実ですが、この鳥のせいでかなりの収穫量を失っています」と、カウアイで農家を営むジェリー・オーネラスさんは話す。彼はカパアの15エーカーの農園で、ライチやロンガンなどのトロピカルフルーツを栽培している。2016年にはインコの被害で収穫量の30パーセントを失ったと言う。
「状況は毎年悪化していて、今年の被害がどれほどになるか予想もつきません。農園を続けられない可能性もあります」 記録によると、この種のインコはインドからペットとして持ち込まれ、1960年代あたりから逃げ出したり、放たれたりで野生化が始まる。1990年代には約200羽に繁殖した。そして外来種生物の専門家によれば、現在カウアイ島には約5000羽が生息すると見られている。
「典型的な侵入生物種ですね」と、カウアイ侵入種委員会プロジェクトマネージャーのビル・ルーシー氏。「目の前に現れて問題が起きるまで、我々は目を背けがちです」 農園主達はネットをはり、プロパンガスで空砲を撃ち、レーザー光線まで試したが、全く成果は上がっていない。 「現段階は侵入生物種の増加期にあり、方法を見つけてコントロールしなければなりません。このままでは経済的にも生活の質にも被害を被り、他の生物種も追いやられてしまいます」とルーシー氏は述べた。
今年提案された法案により、インコの管理規制計画を策定・実施するため国立野生生物研究センターへ予算を割り当てる事になるだろう。州当局が今月カウアイ島を訪問する予定だ。