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1月にトランプ大統領の新政権が発足して以来、不法滞在者の逮捕件数が急増している事が17日に発表されたレポートで明らかになった。しかし、いくつかの都市は連邦の厳しい取り締まりに協力しない構えを見せている。ホノルル市は前述のような『聖域都市』の1つではないが、実態は近いと言える。「我々は自らを聖域都市と宣言する以外の全ての聖域都市に当てはまる要素を実行しています。私は名称は問題ではなく、行動が全てを表していると考えています」と、ホノルル市長カーク・コルドウェル氏は語った。
合衆国移民税関捜査局(ICE)が発表した報告書によると、不法滞在者の検挙は40パーセント増加。その結果ハワイでは移民が市民権獲得を急ぐ動きが見られている。ホノルルのミッション・メモリアル・オーディトリアムで17日に行われた市民宣言式には100人以上の移民が集まり、参加者からは安堵のため息を漏らす様子も伺えた。新市民となった参加者の一人は「この情勢ですから私達はすぐにでも市民になりたいと急ぎました」と話す。バングラデッシュ出身のソフィウル・アラムさんは「ハワイの皆さんは愛情にあふれて素晴らしいです。憎み合っている様子を見た事がありません。社会のシステムも良いですし、ハワイを愛しています」と、話していた。
今年の1月22日から4月29日までの期間で不法滞在者の逮捕者数は4万1318人に上り、平均で1日あたり400人以上が逮捕されている。昨年の1月26日から4月30日の期間の逮捕者数は3万28人だった。特に犯罪歴のない滞在者の逮捕件数は150パーセントの増加を見せた。2016年には約4200人程度だったのに比べ、今年に入って6か月に満たない期間で既に1万800人が逮捕されている。
ホノルル市議会のメンバーは市長とホノルル警察に対し、連邦政府の移民法執行に協力する行為には郡の資源、資金を一切使わないよう求めている。コルドウェル市長とケイリー・オカモト署長代理は、連邦政府から特定のケースで協力を求められない限り郡の資金を充てないと述べた。 「私達は積極的に移民法違反を取り締まりに乗り出す事はありません。しかし、もしも誰かを拘束し連邦政府から私達に連絡があれば、それは罪を犯したからであり、移民法に違反したからではありません。違法行為を取り締まるという視点では我々は今後も連邦政府と協力していく姿勢です」と、オキモト氏。コルドウェル市長は「大統領の言うままに移民を見つけ出して連邦政府に突き出す事はせずに、私達は正しい方法で国の法律を守っていくというメッセージをトランプ大統領に送っているのです」と語った。