@shutterstock
介護費用が再び急騰し、最も高価な選択肢となる個室タイプの老人ホーム利用にかかる金額はもうすぐ年間10万ドルに達する勢いだ。
ジェンワース・ファイナンシャル社が26日に発表した調査結果によると、人件費の上昇と症状の重い患者の増加を起因として、デイケアや介護付き住宅を含む年間の介護サービス中間価格は前年よりも平均で4.5%上昇。同調査が開始された2004年以降、2番目に高い数字を記録した。
最も高騰したのは在宅介護サービスで、中間価格は1時間あたり21ドル50セントとなり前年比より6%上昇。個室老人ホームの中間利用価格は年間9万7000ドル以上となった。
全米高齢者問題協議会のジョー・コルドウェル氏は「多くの人は自分が介護が必要になるとは考えていないので、介護のための計画や資金繰りを後回しにしがちです」と、話す。
介護費用は、個人加入の健康保険や『メディケア』の状況によって当人にも家族にも重い経済負担となる可能性がある。65歳以上の高齢者に適用される連邦プログラム『メディケア』による経済支援の額は限られており、個人で加入した保険の補償が無い場合は政府の貧困層向け健康保険プログラム『メディケイド』の適用資格に相当するまで、私財を切り崩さねばならない。
医療保険のリサーチを行うバイパルティザン・ポリシー・センターのデータによれば、介護保険の初年度費用は、加入者の年齢に応じて年間2000ドル以上から設定されるという。
他の調査では40歳以上のアメリカ国民のおよそ3分の1は、介護費用について無計画だという結果も出ている。
コルドウェル氏はメディケアでカバーできる金額を理解し、今後の介護費用の上昇に備える必要があると話す。
「今後10年間でベビーブームの世代が高齢世代に達します。乗り越えなければならない問題です」と同氏は述べた。
(日刊サン 2017. 10. 7)