日刊サンWEB

過去記事サイト

主婦ソサエティー・オブ・ハワイ 第53回総会・親睦昼食会開催

Bynikkansan

4月 10, 2019

3月24日、ワイアラエ・カントリー・クラブで

主婦ソサエティー・オブ・ハワイの第53回総会・親睦昼食会が、3月24日、ワイアラエ・カントリー・クラブで開催された。会には、主婦ソサエティーのメンバーを始め、日系団体やハワイ州政府関係者ら合わせて約140名が参加。また、ゲストとして伊藤康一総領事夫妻、ジョージ・アリヨシ前ハワイ州知事夫妻、理学博士の小山鐵夫夫妻が出席した。

 

左から)有川啓子主婦ソサエティーオブハワイ会長、聖田京子元ハワイ大学沖縄研究 センター長、ジョージ・アリヨシ前ハワイ州知事夫妻、伊藤康一総領事夫妻
 
役員宣誓式の様子
 

 

会場となったボールルームには、着物の帯で製作されたバッグやパッチワークなどのアート作品が展示され、会場に彩りを添えた。これらは、アーティストの武田健成さんのアートワークを始め、ハワイ大学ラボラトリースクールのジーン・サキハラさんが手掛けた飾り帯、メンバーの追手まちこさんが制作したパテストリー、バッグ、ジャケットなどの「帯アート」と呼ばれるもの。帯が着物を離れても使い途があるという「帯の一人歩き」や、しまい込んでいる帯を利用して「帯が生まれ変わる」というアイデアを活かしている。参加者たちは、華やかな和の雰囲気を醸し出す帯アートに囲まれながら、雅楽、ピアノの演奏、ミニ・ファッションショー、オペラなど、この日のために用意された多彩な催しを楽しんだ。

 

会の冒頭では、社本正司師率いるハワイ雅楽研究会が雅楽の演奏と舞を披露。12名のメンバーたちが日本古来の衣装を纏い、幻想的な雅楽の演奏に合わせて優雅な所作を見せた。主婦ソサエティー・オブ・ハワイの有川啓子会長は開会の挨拶の中で、「和魂洋才」という四字熟語に言及し、「この言葉には、日本古来の精神を大切にしながら、西洋やアジア諸国からの優れた学問、知識、技術などを摂取して活用し、両者を調和させ発展させていくという意味があります。これは正にハワイやアメリカ本土に住む私たち日本人や日系人が実践すべきことですが、日系一世の方々はその見本を遺してくださいました。この志は、主婦ソサエティー・オブ・ハワイが目指すところと同じだと思います」と総会の主旨を述べた。また、今年の総会のテーマである「帯」に触れ、「このテーマには、帯を『結ぶ』に掛けて、日本とハワイ、人と人、絆を結ぶという意味が込められています。主婦ソサエティー・オブ・ハワイは、メンバーが皆一緒に協力しながら社会奉仕に励み、文化を学び、体験し、楽しむ会です。そして、それを次世代に繋いでいけるよう、皆さまと共にますます活動に励んでいきたいと思っております」と語った。

 

 

ハワイ雅楽研究会による雅楽と古代舞のパフォーマンス
 

 

また、有川会長は新たに主婦ソサエティーのメンバーとなった25人を紹介。そのうち今回の総会に参加した15人全員にバラの花を贈った。続いて、主婦ソサエティーを長い間支え、ハワイのコミュニティー活動に力を入れているリリアン・ヤジマさんとリチャード・ミヤオさんに感謝状が贈呈された。有川会長はヤジマさんとミヤオさんについて「社会へ貢献することの意味を学ばせて下さり、それを次世代へ繋いでいくことの大切さを教えて下さいました」と紹介した。また、メンバーのエイコ・セイタさんに祝卒寿のお祝いと記念品が贈られた。

 

続いて、アン・コバヤシ市議会議員がノミネートした主婦ソサエティー・オブ・ハワイのオフィサーとディレクターの発表が行われ、コリーン・ハナブサ元下院議員がインストレーションの宣誓式を行った。式では、今年度の役員就任式で選出された4期目会長の有川啓子さん、副会長の田中重代さん、セツコ・ザボーさん、ほか9人の役員が宣誓。その後、主婦ソサエティー・オブ・ハワイ名誉会長の伊藤美砂子総領事夫人が祝辞と挨拶を述べると共に、プログラムに記載されたイゲハワイ州知事からの祝辞も紹介された。また、ハワイ大学日本研究センターへ1,000ドルの寄付金が贈呈された。

 

その後のプログラムでは、ムツコ・ナルミさんが音楽に合わせて帯を結んで見せる「3分間着付け舞」を披露し、続けて3人のメンバーによる飾り帯のミニ・ファッションショーが行われた。また、武田健成氏の「帯リボーン」を身に付けたプロのモデルによるショーも催されるなど、千姿万態な着物の帯の魅力を紹介した。

 

 

ムツコ・ナルミさんによる3分間着付け舞
デザイナーの武田健成さん発案の「帯リボーン」を身につけたプロのモデルによるショー

 

 

昼食を挟んで、午後はピアニストのヤン・フランシス・ファンさんのコンサートが催された。ヤンさんは、中国生まれの22歳。幼少の頃から音楽の才能に秀で、15歳で音楽の道に進むことを決心し、アメリカで本格的にピアノを学んだ。世界中でコンサートの経験を積み、国内外で多くの賞を獲得しながら、ショパン生誕200年記念コンクールでは金賞を受賞するなど、将来が期待される新進気鋭のピアニスト。力強く美しい演奏に、参加者たちはスタンディング・オベーションで大きな拍手を贈った。その後、妙法寺主任住職でオペラ歌手、主婦ソサエティの名誉ディレクターでもある山村尚正氏が、ヤンさんのピアノの伴奏に合わせてオペラ1曲と美空ひばりの名曲『川の流れのように』歌唱した。

 

力強い演奏を披露したピアニストのヤン・フランシス・ファンさん
妙法寺住職でオペラ歌手の山村尚正さんはフランシスさんの伴奏に合わせて『川の流れのように』を歌う

 

 

最後に、主婦ソサエティー総会恒例のメンバーとゲストの寄付によるドア・プライズやセンターピースの花の抽選会が行われた。そして、メンバーの竹林篤さんが手話の指導をしながら『上を向いて歩こう』を参加者全員で合唱。和やかな雰囲気の中、今年の総会・親睦昼食会は幕を閉じた。 (文・有川啓子 構成・佐藤リン友紀)

(日刊サン 2019.04.10)