ハワイのバケーション・レンタル(バケレン)は、タイムシェアを抜き、2018年にホテル、コンドミニアムに次いで3番目に人気のある宿泊施設となった。 2003年から2017年までのハワイ州観光局(HTA)のデータによると、ホテル、コンドミニアムのレンタル、タイムシェアがトップ3であったが、2018年1月にはバケレンがタイムシェアを抜き、その後の11か月間もNo3の地位を確保している。 2018年の最終的な訪問客数は1千万人に近づくと予想されているが、その主因は、航空便数とバケレンの増加である。ハワイにとってバケレンに対する評価は、人によって意見が分かれる。 7月に発表された研究によると、オアフ島で代替宿泊施設が厳しく制限された場合、12億ドルの地域経済、7,000人の雇用、3億3,600万ドルの家計収入が失われると予想されている。
「訪問客数が増加しホテルの稼働率が満杯になり、代替宿泊施設はますます重要になっている。宿泊施設数を大幅に減らそうとする議会の動きは、オアフ島の経済に重大な悪影響を及ぼす」との意見もある。 一方、バケレンの人気の高まりとともに、バケレンが従来型の宿泊施設を侵食しているとともに、旧来型の住宅地の環境を破壊しており、駐車する車と騒音が増え、手頃な価格の賃貸住宅が減り、固定資産税が上がり、みんな本土に引っ越して行く、と反対運動が広がっている。「明らかにバケレンの市場はあるが、その増加のペースが制御不能になっている。州と市は何らかの手を打つべきだ」との意見も多い。 HTAのデータによると、観光客の大部分はまだホテルやコンドミニアムを選択するが、バケレンを選ぶ訪問者の増加の方が大きくなっている。 HTAによると、2018年1〜11月のホテル滞在者数は約540万人であり、前年同期から約4%増加した。同時期にバケレンを選んだ訪問者は110万人強に達し、前年同期より24%近く増加した。 対照的に、タイムシェアを利用した訪問者数は770,606人と横ばいであった。
バケレン市場の将来を予想するのは難しい。 新しいコンドミニアムではバケレンが制限されており、また市・州がバケレンを規制しているため、バケレンには限界があり、最終的には訪問客はホテルを利用するようになる、という見方もある。一方、バケレンは、いまや需要が大きく増加し、ウェブ等で販売され、従来型の宿泊室と直接競合している、という現実もある。
(日刊サン 2019.01.23)