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ワイメア渓谷 経営危機を脱し拡張計画へ

Bynikkansan

7月 21, 2018

ワイメア渓谷は10年間以上続いた経営危機を乗り越え初の拡張計画として、3.75エーカーの土地の購入をまもなく完了させる。新しく取得する土地は、ワイメア渓谷ビジターセンターの入口に隣接。文化的な体験を提供する開放型広場の建設が構想されている。 ワイメア渓谷とネイティブハワイアンの文化的な結びつきは11世紀にさかのぼり「聖職者の聖なる谷」と呼ばれていた。近年ワイメア渓谷を所有し管理するのはハワイ人問題事務所(OHA)の系列下にあるヒイパカLLCで、文化的プログラムの増加に注力してきた。施設では、レイの作り方や古代の戦士の武器製造法等の伝統を伝えるプログラムを提供。施設を「世界クラスの植物園、文化施設、学習センター」とするため、動物や植物の調査プロジェクトへの参加も増加させた。 ヒイパカのエクゼクティブ・ディレクター、リチャード・ペズーロ氏は「私達はこの場所を多くの世代が楽しめる場所として保存し、守りたいのです」と話す。

 

施設は数年前まで、この夢には程遠い状況にあった。 施設の経営が下向き始めたのは、1996年にニューヨークの投資家がアドベンチャー・パークにしようと買収した頃から。この投資家は2001年に倒産保護下に置かれると、施設の土地に高級住宅を建設する計画を立てた。地域住民は住宅建設に反対し、シティ・ホールまでデモ行進を決行。その後、市、州の土地自然資源局、軍、全米オーデュボン協会とOHAが協力して土地を取得。施設への入場者は伸び悩み、2007年に所有権がOHAに移った時には100万ドル以上の損失を出した。 2008年にヒイパカ社に所有権が移ると、同社は施設の改修に1000万ドルを投資した。 4年間の赤字経営の末、2012年から黒字に転向。現在も経営は順調だ。ビジターセンターとレストランのプラウド・ピーコックがバリアフリー化され、パビリオンの床を改善し、簡易トイレを常設トイレに建て替えた。2017年には1日平均入場者数が950人となり、今年も前年比4%増のペースで入場者を迎えている。 ペズーロ氏によると現在はOHAの資金援助を受けずとも経営可能な状態にあり、今年の設備投資予算は70万ドル以上。この予算には川岸の浸食対応の許可や計画、昨年3月の洪水で被害のあった箇所の修繕を含む。パビリオンや植物園オフィスの改築や、看板表示の新装も計画されている。フラ・ハラウの再開も検討中。

 

(日刊サン 2018.07.21)