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ワイキキ・ビーチコマー、2500万ドルの改装計画

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 デンバーを本拠地とするKSLキャピタル・パートナーズ社が昨年、アウトリガー・ホテル・アンド・リゾートを買収。『ワイキキ・ビーチコマー』の改名と、2500万ドルに上る積極的な投資計画に乗り出した。

 

 ホリデイ・イン・リゾート・ワイキキ・ビーチコマーは、来年2月に『ワイキキ・ビーチコマー・バイ・アウトリガー』へと名称を変更する。中~高価格帯のホテルを高価格帯に改装する計画は、来年夏に完了予定。客室の他にもロビーやプールデッキ、廊下、エレベーター、外装を改装し、設備の技術面での大幅なアップグレードも行われる。「この再投資計画は、アウトリガーの持つ伝統とブランドの成長を維持するための私達の大きな戦略の第一歩目です」と、アウトリガー・ホテル・アンド・リゾート代表のスコット・ダレシオ氏。

 

 アウトリガー・エンタープライズは1947年にロイとエステルのケリー夫妻が創業。1970年代にはハワイの伝説的なエンターテイナーのドン・ホー等が出演するショーが評判となり一時代を築いた。

 

 KSLの戦略は20年間に個人が所有する太平洋最大規模のホテル・チェーンに上り詰めたアウトリガーの世界的な発展を目指す姿勢と逆行する。KSL買収前のアウトリガーの方針は、収益源のうち75~85%が集中するハワイから外への多様化だった。買収に際し、創業者孫娘の夫であり前アウトリガーCEOのデイビッド・キャリー氏は、KSLのより大きなポートフォリオが「新しい市場を模索する中でハワイの存在感も大きくなるでしょう」と話す。

 

 アウトリガーはハワイ、フィジー、タイ、グアム、モーリシャス諸島、モルディブの9つのビーチフロントリゾートが有名だが、他にも28件のホテル、リゾート、バケーション・コンドミニアムを所有または管理している。今後はハワイ、特にワイキキの所有物件の成長に注力していくと言う。ワイキキとグアムで運営部長を務めるマイク・シャフ氏は「ワイキキの物件への投資が最優先。まずはビーチコマーから始めます。KSLがハワイ市場で不動産投資を行うのは、かつてマウイ島のグランド・ワイレアに投資して以来です」と語った。同氏は、アウトリガー・リーフ・ワイキキ・ビーチ・リゾート、アウトリガー・ワイキキ・ビーチ・リゾート、オハナ・ワイキキ・イースト・バイ・アウトリガーを含むワイキキ内のアウトリガーへの投資計画を公表するには時期尚早だと述べた。他にもアウトリガーは他社が所有するオハナ・ワイキキ・マリア・バイ・アウトリガーとエンバシー・スイーツ・バイ・ヒルトン・ワイキキ・ビーチ・ウォークを管理している。同氏は「アウトリガー・ワイキキ、オハナ・イースト、アウトリガー・リーフへの再投資はまだデザインの段階です」と述べ、今後5年間でこれらの物件は再投資されると加えた。

 

 KV&アソシエイツ・ホスピタリティ・コンサルティング代表のキース・ヴィエラ氏は、ケリー一家が買収直前にタワー計画よりも安価な代替として挙げたアウトリガー・リーフへの1億ドルの再投資計画をKLSは拡大させると予想。「ハワイは新規参入し運営を始めるには資金がかかる場所で、高い収益を上げる必要があります。KSLはハワイ市場参入が初めてではなく豊富な経験を持ちます。アウトリガーの発展に最適なオーナーだと思います」。

 

 多くの未公開株式投資会社が、物件を改修、再構築し売却するビジネスを手掛けているが、KSLは長期的な視野で運営する可能性があるとホスピタリティ・アドバタイザー社CEOのジョセフ・トイ氏は話す。「KSLは、方向性の確率に貢献する未公開株式投資会社の一つでしょう。アウトリガーのようなチェーンを購入したら価値の付加により時間をかけます」と、述べた。チャーチル・グループ社のオーナー、エリザベス・チャーチル氏は「ハワイの巨大なホテルオーナーであるハイゲートとKSLの両社は競争し市場を支配するでしょう。現在ワイキキのほとんどが売りに出されていると言える状況にあり、今後の情勢は大変興味深いです」と言う。シャフ氏はKSLが新しい物件を購入する計画は無いとしながらも、今後もハワイでのビジネスの機会は追及し続ける構えだと話す。「KSLは国内外への強いアピールを持つワイキキ市場の安定性に惹かれているのです」

 

(日刊サン 2017. 11. 4)