ハワイの象徴といえるワイキキビーチで、砂の浸食が深刻化している。
「以前はもっとたくさんの砂があったのですが、今見てもわかるように、そこらじゅうの砂がなくなっています」と語るのは、8月にオアフ島に引っ越してきたハワイ・パシフィック大学の学生、ピア・ワッカールさん。
この数か月、深刻な浸食によってクヒオビーチの水際にあるコンクリート製の壁がむき出しになってしまった。コンクリートはでこぼこしていて尖った角があり、海水浴客らが危険にさらされる可能性がある。
100フィート以上のプラスティック製チェーンで組み立てられている近くの監視台のひとつは、この問題を強調しており、立ち入り禁止となっている。
「ここはサーフィン中の子供たちにとって危険だと思います。満潮時は止まることができず、波は倍の高さになり、この壁に流れ込む可能性があります。そういう状況をすでに何度か見ています」とサーフィンインストラクターのウィリー・グレイスさんは語っている。
2012年6月、州土地自然資源省は、ワイキキビーチに砂を補充するプロジェクトを完了した。このとき、1,730フィートの海岸線に24,000立法ヤードの砂が補充された。220万ドルをかけたこのプロジェクトは、州とワイキキのホテルが共同で行ったものだった。しかし、ハワイ大学の調査によると、1年後には砂の4分の1がすでに流出してしまっていた。
「試行錯誤中なのだと思いますが、あまりにも大金を無駄にしています。ここはワイキキビーチです。良質の白砂で覆われている必要があります」とグレイス氏。
ワイキキに住むトム・ウェントワースさんによると、クヒオビーチのコンクリートをむき出しにした浸食は、防波堤が撤去されてから極端に悪化しているという。地元住民は州に対して防波堤の撤去を止めるよう求めていた。
「防波堤があったから、砂が流出しなかったんです。こちらの防波堤からあちらの防波堤の間で、砂は循環していたのに、向こうの防波堤がなくなってしまったために、砂が全部沖に流れてしまいます」
ワイキキビーチの浸食は、何十年もの間続いている問題であり、1939年以来、少なくとも10回は砂の補充を行ってきた。土地自然資源局によると、この77年間で30万立法ヤードの砂がワイキキビーチに補充されたという。
州は市と提携して最近のワイキキビーチの浸食問題に取り組んでいると同省のスポークスウーマン、デボラ・ワード氏は説明している。また、ホノルル市議会のイカイカ・アンダーソン議員とスタンリー・チャン議員、アーニー・マーティン議員は、法案第82条の下で非営利のワイキキ改善区画を設置することを提案している。この法案によって、浸食を防ぐための資金を集めることができる可能性がある。
この法案は12月に最初の読会を通過し、さらなる話し合いについては、ゾーニング・アンド・プランニング委員会にゆだねられている。