観光客で賑わうはずの夏のワイキキビーチに異変が起きている。23日深夜から24日午前まで続いた熱帯性暴風雨Kilo (キロ)に伴う豪雨の影響で、190万リットル以上の汚水が海に流れ込んだため当局が遊泳を禁止した。
市の環境局などによると、豪雨のためにマンホールから下水があふれ出し、排水路を通じて大量の下水が海に流れ込んだ。浸水を免れようとマンホールのふたを開ける違法行為が相次いだことも、問題に拍車をかけたという。
日本から家族4人で観光に訪れていた女性は日刊サンの取材に答え、「共働きなのでこの夏はあまり遊びに連れていってあげられなかった。子ども達は夏休みの最後にハワイのビーチで泳ぐのを楽しみにしていたのに」と閉鎖されたビーチを眺め溜息をついた。閉鎖の理由を知らされると、慌てて波打ち際で遊んでいた子ども達を呼び戻した。
今週開催を予定されていたイベント「デューク・オーシャン・フェスト」も現在プログラムをキャンセルまたは順延している。このイベントはハワイ出身のサーファー、デューク・カハナモクを記念して毎年開かれているもので、24日はカハナモクの生誕125周年を祝うはずだった。
ホノルル市の当局は、「水の中に何があるかは現時点でまだ分かっていない。深刻な感染が起きて健康被害が出る恐れもある」と警告する。ワイキキだけでなくカイルア、カネオヘでも下水が海に流れ込んでビーチが閉鎖されている。
遊泳禁止がいつ解除になるかは未定。25日夕方の大雨で更に伸びる可能性もある。当局は現在海水を採取して検査を行っている。現在ハワイ諸島に向かっている新たな熱帯低気圧Ignacio (イグナシオ)は徐々に勢力を増しハリケーンに発達する可能性があり、ハワイ諸島では不安定な天候が続いている。