州裁判所は2月、ワイキキの中心部にある4階建てのハワイアン・エブタイド・ホテルの建物はきちっと維持されておらず最悪の状態にあり、借地権賃貸借契約に違反しているので、地主は土地のリース契約を解約し、同ホテルの所有権を引き継ぐ、と裁定した。
法律関係者によると、エブタイド・ホテルのような借地権付き賃貸物件は何千と存在する。借地権契約では、通常上屋の建造物が良好な状態に保たれることが条件になっているが、多くの貸借人はその条項に注意を払っていないとのこと。同ホテルの所有者の一人のジョン・ウルスタイン氏は、築60年のビルは改修の必要はなく、「地主のマーカス・フラード-レオ氏が、借地契約の条項を使い、この1等地にある土地を取り戻し、再開発を行おうとしている」と主張している。周りには、開発中のプリンスカイウラニホテル、キングズビレッジ、フードパントリーがある。しかし、地主のマーカス氏は、再開発の意思はないと語っている。
この判決の3日後の2月25日、ウルスタイン氏が経営するハワイアン・エブタイド・ホテル社は破産を申請した。これにより、判決の執行に遅れが出ることになる。ウルスタイン氏は、1990年代半ばに同ホテル(40部屋)に投資を始め、現在は27部屋を所有している。元州教育局行政官が数部屋を、他の4人が残りの部屋を所有している。一部のユニットはホテル用(一泊80ドル)で、他のユニットは長期レンタル用である。タミ・ア・ネイル、ユーロ・ハットなどのビジネスも入居している。土地のリースは2025年までで、年間地代家賃は30万ドルである。
2001年、ドッドリーとエインズリー・フラード-レオ兄弟がこの土地を購入した。同ファミリーは、長年ワイキキの不動産に投資しており、2012年にはキングズ・ビレッジの土地を4100万ドルで売却している。エインズリー氏の息子のマーカス氏は、数年前にエブタイドの土地を受け継ぎ、2012年エブタイドの所有者に対して、建物には多くの欠陥がある、と訴訟を起こした。建物の査定は2011年に行われ、24の問題点が指摘され、その修理には75万~150万ドルがかかると見積もられた。
(日刊サン 2019.03.16)