ワイキキの小さなブティックホテルのひとつである「リニュー」は、一日28.74ドルのアメニティ料金を払えば、ヨガ、占星術、フェイシャルなどのサービスが受けられると、人気を博している。
この珍しいアメニティ・パッケージを提供するホテルは、200万ドルを使い施設を改修しホテル名を「リニュー」に改め、より客単価の高いニッチ市場であるウェルネス市場をターゲットにしている。
化粧品は、ギリシャのホメオパシー薬局ブランドである「コレス」製品で、ゲストはヨガ・マット、レジスタンス・バンド、ウェイト、ピラティス・ボールなどを部屋に届けてもらえる。アメニティ料金には、ビーチ・チェア、パラソル、シュノーケル用具、その他のビーチの必需品も含まれる。
通常のアクティビティ・デスクの代わりに、ウェルネス・コンシェルジュと「トラベル2チェンジ」を配置している。トラベル2チェンジは、ゲストがハワイの人々と地域をより理解し、地域社会に貢献するためのボランティア・エクスカーション(旅行)をアレンジする。
この施設のサービスは、サンゴ礁に安全な日焼け止めなどの地元製品の調達から、使い捨てプラスチックの排除にまで及ぶ。そして、ホテル出発時には、マノア・ハニーがゲストに贈られる。
地元のホテル経営者のベン・ラフター氏とケネディ・ウィルソン・インターナショナル社が2千570万ドルで同ホテルを買収してから僅か18か月後にこの改修は行われた。
このホテルは、アストン・ワイキキ・ビーチホテルの隣のポカラニ通りにあり、ビーチまで1ブロック、カピオラニ公園の近くの「魅力的な立地」にある。
レストランやスパはまだないが、ミッド・センチュリー・モダンなデザインは明るくなり、ハワイのビーチを思わせる落ち着いたトロピカルな雰囲気が加わった。
また、ロビーとバーを改装して、ゲストが地元のクラフト・ビールやスピリットで作られた特製カクテルを試飲したり、バリスタが淹れたコーヒーや紅茶を飲んだり、「ブルー・トリー・カフェ」で手軽に食事が取れるようになっている。
また、睡眠を誘発する地元産のラベンダーを袋に詰めるステーションも置かれている。 高級化のための再投資により、1日平均宿泊料金は、100ドル台〜200ドル台半ばに上昇するとみられている。
ラフター氏はサーフジャック・ホテルをワイキキの有名ホテルに変えた同様の経験を持つ。同氏は、ハワイは太陽、砂浜、サーフィンだけの目的地から、特に若い人たちが付加価値を求める場所に変わってきている、と述べた。
(日刊サン 2019.10.03)