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ワイアナエ分譲地の手造り住宅が完成へ

Bynikkansan

7月 20, 2019

ポカイ湾の美しい景観を望むワイアナエの丘の中腹に、十数組の家族が1年以上をかけ自分達で自宅を建設してきた。 現在、「ビレッジ・ポカイ・ベイ」と呼ばれる400区画以上のこの分譲地は、最後の70区画での建設が半分程度終わった段階である。この70戸は、他の家々と異なり、所有する家族が自分たちでそれらの一部を建設している。

 

ハワイの非営利団体セルフ-ヘルプ・ハウジング機構を通じて、各家族は週末に32人体制で作業を行う。区画の購入代金、材料費、専門家の顧問料を除き、3~4寝室のオーシャン・ビューの自宅が48万ドルで建てられるが、一部を自分たちで建設している彼らの実際のコストは29万5000ドルである。ちなみに、オアフ島の一戸建住宅の平均中間価格は77万5000ドルである。

 

2年前にこのプログラムを使い自宅を建てた住民の一人によると、1年で完成する予定が、建設認可の遅れで2年かかったという。 セルフ-ヘルプ・ハウジング機構はまた、米国農務省農村開発プログラムの住宅ローン(金利1%~3.25%、頭金無し)を仲介しているが、その処理が非常に遅く、最後の70戸の完成は、当初予定の今年から2年遅れの2021年になるという。

 

この70戸のワイアナエ・プロジェクトでは、58戸がホノルルの中間年収の80%以下の収入を持つ世帯、12戸が50%以下の世帯、用である。中間年収は、4人家族の場合、80%レベルで9万6400ドル、50%レベルで6万250ドルとなる。 米国農務省農村開発プログラムは、住宅ローンの提供以外に、各戸に3万ドルの助成金を援助した。

 

アフォーダブル住宅の資金調達を支援する州のハワイ住宅金融・開発公社も2013年、この物件購入資金640万ドルの内390万ドルをセルフ-ヘルプ・ハウジング機構に貸し付けた。

 

この分譲団地は1990年代初頭、地元の開発業者リチャード・ミューが約400戸の住宅を建設した時に始まるが、1990年代終わりに住宅市場が低迷しその開発が止まった。もう一つの地元の開発業者、マーク開発社のクレイグ・ワタセ氏が2004年に開発を再開し、55戸を建設した後、景気悪化により財政破綻し、2011年に最後の70区画と完成した道路が差し押さえられた。

 

過去54年間にハワイで685戸の住宅を造ってきたセルフ-ヘルプ・ハウジング機構は、本土の非営利団体である農村地域支援機構と住宅支援機構から、ワイアナエ・プロジェクト用として5億7千万ドルを受け取っている。

 

 

(日刊サン 2019.07.20)