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リッツ・カールトン・レジデンシーズ・ワイキキビーチが2番目のタワーをオープンしてから1年が経過しても、50台分のメーター付き駐車スペースは市に返還されていない。 開発業者のアイアンゲート社も、建設認可の条件である公共の緑地のオープンを実行していない。
市は2015年3月、同社が公共駐車スペースを使用可能な安全な状態に戻すことを条件に、このスペースに建設機器を置くことを認可した。このスペースは、2015年4月に閉鎖され、今年3月31日までに再開される予定であったが、同社は、市運輸サービス局(DTS)が求める再開の条件を満たしておらず、再開できないでいる。
このため、市はメーター料金1日最大1800ドル(1ドル50セント/1時間1台)の機会利益を失っており、3月31日以来約35万2800ドルを失ったことになる。 この再開遅延は、ワイキキでの厳しい駐車状況を悪化させている。また、公共緑地の建設を条件に第2タワーの高度・容積率等の制限緩和を承認した市計画・認可証発行局とホノルル市議会の権威を失墜させている。
この公共緑地とは、「ラウウラ・パーク」と呼ばれる2万2千平方フィートの緑地で、遊歩道に2つのステージが備えられる予定だった。 リッツ・カールトンの最初のタワー「エヴァ・タワー」は2016年7月にオープンし、それに続き、「ダイヤモンドヘッド・タワー」が昨年10月にオープンし、552ユニットを持つ世界最大のリッツ・カールトン・レジデンシーズになった。
しかし、同プロジェクトは初めの段階から色々と物議をかもしている。支持派は、この開発がワイキキのクヒオ通り側の高級化に繋がると期待したが、反対派は、ワイキキの高度・容積率制限を超えたタワーの建設は景観と環境を害すると主張した。
このため、海の景観を保護するために2つのタワー間の距離は広くなった。その後住民は、階段の明かりが強すぎると苦情を申し立て、解決策が講じられた。
さらに今度は、公共駐車場と公共スペースのオープンの遅れが取りざたされている。 リッツ・カールトンの広報担当者のフイ・ヴォー氏は、「ラウウラ・パークは11月16日にオープンする。開園時間は毎日午前10時から午後4時で、ホテル費用で警備員を配置する」と語った。
DTSの広報官のトラビス・オータ氏は駐車場について、「一時停止等の標識の設置、露出した電気配線のカバー、電気接続の復元などをチェックしており、早期オープンに向け最善をつくしている」とコメントした。
一方、ワイキキ近隣委員会は、市、リッツ・カールトン、開発業者は住民の意向をくみ取っておらず、約束通りに物事を進めていないと反発し、ワイキキの混雑緩和と安全確保のために早期の駐車スペースの再開を求めている。同委員会のボブ・フィンリー会長と副会長のルイス・アーテシック氏は、リッツ・カールトンは、地域の住民の意見に全く耳を傾けず、無視しており、市との約束も果たしていない、と強く抗議している。
(日刊サン 2019.10.26)