先月13日、弾道ミサイル攻撃を受けているという警報を携帯電話に誤送信する事件が起きた。警報を誤ってハワイ中に送信してしまった当事者が2日、事件以降初めて自ら反省と真実を語った。
「当時私は100%の確信をもって行動しました。しかし事件が起きてしまいました。私はトレーニングを受けた通りの手順を取ったのです」と彼は話す。世間から『ボタン・プッシャー』と呼ばれる彼は、既に解雇されている。
事件当時彼は、オフィス内の騒音によりスピーカーから流れる訓練の警報メッセージが明瞭に聞こえなかったという。彼はその放送を真実だと思い込み、直ぐに警報送信ボタンを押した。チェックリストを確認し送信するまでの時間は最小限にするよう教えられていたからだ。しかし彼は弁護士同席で設けられたインタビューの場で「罪悪感で一杯で絶望しています。この数週間は本当に辛かったです」と話す。
身の危険を感じるため氏名を明かしたくない彼は、現在本土で身を隠しているという。ハワイ緊急管理局(HI-EMA)は実際に彼の殺害をほのめかす脅迫状を受け取っている。
彼の弁護士マイケル・グリーン氏は、1月26日に解雇された彼はHI-EMAから非難の対象に仕立てあげられたと主張し、復職を求め州を訴える可能性もあると語った。
彼は50代半ばで、軍に従事したことはないが防衛産業に約30年間のキャリアを持つ。HI-EMAの在籍期間は11年と半年。ハワイ政府職員協会(HEGA)のメンバーで、2002年にハワイに移住しパールハーバーで防衛産業のスタッフとして働くまではワシントンD.C.で勤務していた。しかし弾道ミサイル訓練は初めての経験で、9月に始まったばかりだった。彼はHI-EMAの訓練レベルを「不十分」と評価している。
事件当時、同室に彼を含め4人の職員がいたが彼の上司は不在。オフィスの雰囲気は混乱しており「訓練とは思えない」状況だったという。
「州が警報を送信するのは適していないと思います」と彼は述べ、軍や連邦緊急事態管理庁に任せるべきだと加えた。
州の内部調査と、連邦コミュニケーション・コミッション(FCC)の祖期調査の結果が1日に公開され、複数の部署にミスがあったことが明らかになった。その後HI-EMA職員の人事変更や懲戒処分が発表されている。
(日刊サン 2018.02.10)