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マキキ日本海軍墓地で、春の招魂慰霊式

日本ではお彼岸にあたる春分の日の20日、マキキ・セメタリー(墓地)の一角にあるマキキ日本海軍墓地で、春の招魂慰霊式が執り行われた。ここは昨年末、ハワイに来た安倍晋三首相も献花に訪れている。海外にある日本人墓地としては最古のもので、1868年(明治元年)にハワイに移民した、元年者と呼ばれる最初の日本人移民を祀る鎮魂碑なども建立されている。

 

 

慰霊式にはハワイ明治会の名誉会長を務める三澤 康総領事、海上自衛隊、航空自衛隊、日米協会などの来賓が参列。明治会の早瀬登会長が「祖国のために務めて亡くなった先覚者への感謝と畏敬の念は忘れません」と、来賓へ御礼のあいさつ。ハワイ大神宮、ハワイ出雲大社の宮司による慰霊の詞奏上をし、玉串で礼拝した。詩吟の会のメンバーによる、“海行かば”の、朗々とした節回しの歌いも捧げられた。

 

明治から続く日系移民や、真珠湾で戦死した日本人兵など、日米関係史的にも重要な慰霊碑があるこの墓地は、ハワイ明治会が中心になって清掃や供養をしている。海上自衛隊の船がホノルルに寄港する際は、必ず海軍墓地を訪れて参拝しているのだという。明治会ではその時に贈られた、自衛官らが折った千羽鶴をまとめて大切に保存しておき、慰霊式やお盆の法要の時、鎮魂の碑の周りにうず高くお供えしている。

 

セメタリーの敷地内にはプルメリアがたくさん植えられ、可憐な花を咲かせていた。87歳になった早瀬会長は今も月に1回、カイルアからバスを乗り継いで、墓地の清掃をしている。早瀬さんは、 「明治会は40人ほどの会員がおりますが、高齢化が進み、後継者が絶たれるかと心配な時期もありました。でも今は、辻原佳子さんや古橋建作君など若いメンバーが力強く支えてくれています。ありがたいですねえ」と、若者の間で目を細めていた。

 

 

(取材・文 奥山夏実)